星を継ぐもの 2 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)
星野之宣先生の筆力は半端ない(知ってたけどw)
しかも「巨人たちの星シリーズ」3部作(あえて「内なる宇宙」は除く)を、グッとミキシングして1巻から「ランビアン」まで登場させる物語の構築力。たまりません〜
さらに、第9話「狂風世界」-第10話「恐竜パラドックス」-第11話「穴居人類」に見られる想像力と構想力。スゴすぎる。「03」が待ち遠しい!
もっとも、最新の観測結果から「惑星ミネルヴァ」の存在は否定されているんですけどもネ……。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E6%83%91%E6%98%9F%E5%B8%AF#.E5.B0.8F.E6.83.91.E6.98.9F.E5.B8.AF.E3.81.AE.E7.92.B0.E5.A2.83
THE SEA OF FALLEN BEASTS 滅びし獣たちの海 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)
よく諸星大二郎と比較される。お互い、それは意識しているらしく、星野が諸星の家を訪問した際に、自分と同じような蔵書が並んでいるのを見て苦笑したというエピソードは有名だ。
ただ、この二人は画風は両極端といってよい。諸星の絵は手塚治虫をして、「彼の絵だけは真似できない」と言わしめたデビュー以来変わらぬ、ある意味で一生完成しないような画風であり、独特な魅力を持っている。
一方、星野之宣の絵はデビューの頃に既に完成されていたと思う。端正でリアルな絵、そしてスケールの大きなストーリーが魅力的な作家だ。その洗練度はますます高まっている。
作品については両者の空想力は方向が違うにせよ、お互いに引けをとらないと思う。むしろ本作品集収録の「アウト バースト」などを読むと、着地点は同じような気がする。
この作品集は何度目かのリメイク版であるが、大判でカラーページが再現されているのが特徴だ。作品としては海洋、北方の島、南洋のジャングル、宇宙空間とバリエーションにとんだ舞台で、それぞれ思わずうなってしまうような作品が収録されている。もし星野之宣を知らない人がいたら、入門書としては適切だと思う。
星を継ぐもの 3 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)
・ガニメアンのフネが100万年前間飛び続けていた理由は?
・ルナリアンの抗争の原因は?
・平和委員の正体は?
………。
これだけ書くと、多くの人はその人なりの予想をするでしょう。
でも、話の展開は違うのです。その上で、すべてが一つのストーリーとして破綻無く繋がっています。
常に、読む人の予想を裏切る。展開が読めません。
私は普段あまり漫画を読まないのですが、展開に引き込まれてしまいます。
1巻、2巻と続いてきましたが、最新刊になるほど面白くなります。
これはホントです。第4巻が本当に楽しみでなりません。
星を継ぐもの 1 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)
星野氏は近年伝奇物に移行、大きく成功されて居ました。
それらの作品(特に宗像教授シリーズの最終エピソード)も素晴らしいと思いつつも「この手の作品なら別に星野氏で無くとも描ける。」と考え居ていた為、この度のSFへの帰還は大歓迎です。
期待以上の力作ですが、星野氏の作品に長年親しんで居る身にはかなり強い既視感が有りました。
しかし、それが決して退屈な訳でも焼き直しに見える訳でもなく、氏のSF漫画の集大成になっている点が素晴らしいです。
ストーリー的には如何に星野氏がJ.P.ホーガン氏の作品に影響を受け それを絶妙に漫画に翻案して来たかが窺い知れて興味深かったです。
宇宙開発事業団(元軍隊)と国際平和委員会(旧財閥系)が互いに何を掴み、隠しているかが徐々に解っている様子がスリリングです。
恥ずかしながら今迄未見だった原作もこの機会に読みたくなりました。お薦めです。
LEGEND OF GIANTS 巨人たちの伝説 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)
星野さんがホーガンの世界を描きたくなった理由がよく分かる作品群だ。
地球の氷河期というのは、その克服方法がSF作家の想像力をかき立てるのだと思う。
20年以上の前の昔の作風だけれども、描かれている世界は素晴らしい。
やはり宇宙物を描かせても超一流の作家なのだ。