サイエンス・イマジネーション 科学とSFの最前線、そして未来へ
ロボット・AI研究者による研究発表は、思っていた以上にSFの世界が現実のものとなっており、驚きの連続であった。
冗談を交えながら一般の人々にも分かりやすい形でプレゼンされており、すんなりと理解できる内容だった。
SF作家による書き下ろしの短編小説は、これだけを読んでも十分面白い。
これが科学者の問いかけに対するアンサー・ノベルとなっているだけでなく、さらに科学者を刺激する内容にもなっている、
という見かたをすると、また違った面白さを感じることができる。
科学者により創造されたものが、作家の想像力を刺激し、その想像がさらに科学者を刺激する。
科学者と作家という異分野の人々が織りなす素晴らしき世界を味わえる稀有な一冊である。
グラン・ヴァカンス―廃園の天使〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)
あらすじとオビ(03年度ベストSF第2位)のみ見て面白そうだな、と軽い気持ちで購入しました。
あとタイトルに惹かれて…何かかっこいいなぁと。
けれど私はSFはあまり読んだこともなく、正直中盤くらいまで…理解できない部分やわかりにくい部分もあったので読むのやめようかと思ったこともあります。ただ終盤くらいから次々と分かっていく事実、曖昧に読んでいても引き込まれる世界はスゴイと思いました。特に主人公の正体がわかるくだりは目が離せませんでした。
最後はどうしようもなく切なくて、でも希望に満ちている。…読むのやめなくて良かったです。
ただSF慣れ?していない人には好き嫌いがあるかもしれないので書店で中盤を少し立ち読みしてみて読めそうなら買うのもアリかと。
続きはいつ出るんでしょう?
ラギッド・ガール 廃園の天使 2 (ハヤカワ文庫 JA ト 5-3) (ハヤカワ文庫JA)
SFマガジンでだいたいは読んでいたが、相変わらずの綺麗な文体で
何度目かでも楽しく読めた。書き下ろしも一遍あり良い出来。
次作が期待される。
NOVA 1---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫 お 20-1 書き下ろし日本SFコレクション)
11編中、
「お、なかなかおもしろいなあ。この作家の他の作品も読みたいなあ」
と思ったのが5編、
「ん〜、波長が合わないなあ。読むのに忍耐を要したなあ」
と思ったのが4編(うち2編は長い!)、
でした。
第2巻も出るようですが、少し待って古本で安く買ったほうが無難かな。
象られた力 kaleidscape (ハヤカワ文庫 JA)
味覚や視覚といった五感に関する描写・語彙の豊富さ、物語を物語る語りの巧みさ、描かれる異世界の幻想的な美しさなど、どれも一級品のできばえではないでしょうか。
初出がSFマガジンで、早川書房のベストSF2004でも一位になっているようにSFというジャンルの中で評価されることの多いようですが、ミステリーや幻想文学といったジャンルの作品を多く読む人にも読んでほしいと思います。