スクラップ・ヘブン [DVD]
李相日監督の「フラガール」は大ヒットした、この監督作品をもっと
観たくなった。
加瀬亮は、周防監督の「それでも僕はやっていない」の主役で容疑者
であったが、この映画では気の弱い刑事役で、設定がまったく逆だっ
たが、演技は同じ、これからに期待したいが。オダギリジョーは、上
手だ。こいつはやはりただものではない、もっといろいろ活躍を期待
する。栗山千明は、むしろ脇役で必要なかったのでは、ムリにバスの
乗客で登場させただけで、爆弾づくりと薬剤師の設定も安易だし。
でも、加瀬オダギリの復讐物語は結構深い。医療ミスや児童虐待な
ど現代社会への皮肉がたっぷりである。精神病棟の自殺や自爆や交番
襲撃など、全て現代社会への警鐘である。栗山千明の役に疑問、どう
せなら、栗山に復讐に加わってほしかった、星2つ落とす。
フラガール
ボクは、映画を観てから、この本を読みましたが、
作品に忠実に記載されていて、映画の場面とリンクしながら読み進め、
再び感動することができました。
映画では説明されない当時の時代背景や人物描写が細かく描かれているので、
より作品に入り込むことができました。
映画フラガールに感動した人は、ぜひこの本も読まれることをおすすめします。
付属の栞が、ハワイアンリゾートの割引券になっていました。
いつかはボクも訪れてみたいと思っています。
悪人 スペシャル・エディション(2枚組) [DVD]
殺人は決して許されるものではない。
誰一人として大切ではない命なんてものはなく誰にもその命を奪う権利はない。
しかし周りを見渡せば法さえ触れなければよいと下手すれば勝手に解釈して、人を騙し、傷つけ、利用し、裏で笑い、人を踏みつけていても、罪の自覚がない人間も多いのではないか。
そして主人公祐一は踏みつけられて生きてきた人間であり一線を超えたことで世間では悪人と呼ばれる。
ラストで光代は我々に問いかける。
人間としての生き方、あり方を深く考えさせられる優れた作品。
フラガール メモリアルBOX [DVD]
少し前ですが、偶然「情熱大陸」を見ていたら、そこで取り上げられていた蒼井優という若い女優さんの演技に目を奪われました。
テイクを繰り返すうちに役に成りきり、アドリブでセリフを代え、どんどん迫力を増し、輝いていくのです。そして3ヶ月に及ぶ猛特訓で、見事『フラガール』のラストシーンを踊りきった、ということを知った瞬間、是非観に行こう、と思いました。
前半は南海キャンディーズのしずちゃんも頑張っていて笑いの部分も多いのですが、後半は登場人物に感情移入したせいか、こぼれ落ちる涙を拭くのに大変でした。涙を流しながらずっと観続けていました。直向さ、真っ直ぐに生きる、というのはこれほどまでに感動を与えるのか、と思いました。
ダンス教師役を演じた松雪泰子さんの気持ちのよいぐらいスパッとした役作りが見事でした。いい女優さんですね。
前述の蒼井優さんもこれからが非常に楽しみな20才の女優さんです。
そして往年の東映任侠映画でのタンカぶりを彷彿とした富司純子さんの迫力ある演技も光っていました。娘の寺島しのぶさんや息子の尾上菊之助さんに近年スポットライトがあたっていますが、還暦を迎えられた今年、その名女優ぶりは健在でした。女性の強さ、素晴らしさが一際光った作品です。
蒼井優さんほかが演じたラストシーンは、映画のクライマックスでもあり、それまでの努力を画面で見続けてきたわけですから、登場人物の喜びが観客にそのまま伝わるので感動が深まるのでしょうね。
フラの全くの素人が役作りのため、あそこまで踊れれば、感動する当然でしょう。主人公達が、演技ではなく本心から流す涙だからこそ観客の胸を打つのです。
この作品が、アメリカのアカデミー賞外国語映画部門の日本代表作品に決定したということを知りました。全米でもこの映画の素晴らしさはストレートに伝わるはずですから、全世界に配給して欲しいと願っています。
宣伝の多い作品だけでなく本当に良い映画を大きなスクリーンで触れていただくことが日本映画の興隆を支えることだと思います。
悪人 シナリオ版 (朝日文庫)
おのれの誕生から現在まで一瞬にして思い返し、俺は悪人だったと思わせるすごい映画。太鼓判押して傑作、必見。
そのシナリオ。
久しぶり。涙があふれていく事態になった。目前にある次々と変化する画像と私は自らの生誕から現在までを一気に振り返らされていたのだ。
自らの時間軸と この作品に登場する人たちの時間軸を比較しながら 観た。
いい作品と出会った。
映画というのは こうでないといけない。
ホンと、若い男の子と 二人の女の子。
ただし 最初の女の子 死。
そのごの 逃避行。
女が逃避行を選んだ。
ここが ユニーク。
わかる。
灯台での二人の生。
さあ、どうなるかは お楽しみに。
「悪人」って、歎異抄に述べられかつそれぞれが好きなように解釈する偉大なる「悪人」と混同してはならない。
ようするに現在の日本における「悪人」像なのだ。
自己も巻き込まれる。
そして 私は涙があふれた。そして、流れた。
いい作品に 久しぶりに出会った。
二人の若き役者の質が高いことに日本映画の希望を得た。
製作にかかわった諸氏に感謝したい。
この作品にかかわった諸氏の「座談会」が読みどころ。率直すぎる。
これまた 感動。