アラン・ムーア&ブライアン・ボランドの描くジョーカーの物語は、もちろん素晴らしく、数多のジョーカー像のなかでも、とりわけ強い印象を残す。 だが、驚愕すべきは、ボランド単独による併録短編『罪なき市民』だろう。 ボランドは、この作品に関して「7歳の息子を持つお母さんから抗議の手紙をもらうはめになった」と書いているが、その母親は、圧倒的に正しいと云わざるをえない。この10ページたらずのコミックは、まぎれもない「悪書」なのだ。決して読むべきではなく、同時に、何をおいても読むべきである(これは、ほとんど同じ意味だ)。 アンディ・ウォーホルを彷彿とさせる風貌の、主人公の少年。彼は、積み上げた本の頂上に新約聖書を置き、さらにその上にヴィデオ・カメラを安置し、レンズに向けて猛毒性のメッセージを語る。彼は自分の映像と言葉が、21世紀のマーク・チャップマンたちを呼び醒ます預言となる日を、夢想しているのだろうか? 「僕はただの、罪なき市民だ / 死んだら天国に行くんだ」 まさに、キリングジョーク。
ベスト盤ですがリミテッド仕様でないと意味がありません。おまけCDはリミックス程度と思っていましたが思ったより良かったので☆5つです。3枚組は紙ジャケの折りたたみ使用なので「真空パック包装」により少し潰れてしまっていますが、目を瞑りましょう。
KILLING JOKEを初めて聴いたのは、3rdでした。理由は至って単純。当時、田舎の輸入レコード店にそれしか置いていなかったからです。 雑誌のレヴューで想像していたより、POPな印象‥‥。やはり、1stと2ndを聴かなければと思い、レコード店で注文して待つこと、約2〜3ヶ月。 やっと手に入れたレコードに針を落とした瞬間、飛び込んできた攻撃かつ危険なサウンド!これだよ、これ!って‥‥、一人で興奮していました。 重くヘビーなビートに、JAZ COLEMAN独特なVoが絡みつく!暗黒の世界に引きずり込まれていくような感覚。頭の中がクラクラする。 70'PUNKでも、ハードコアでもない、KILLING JOKEというジャンルのサウンド。現在は、ポスト・パンクとかに振り分けられているらしいけど‥‥。 ★レコードを注文した時、KILLING JOKEを聴くなんて、珍しいって言われたことを、鮮明に覚えています。(83年頃だったと思います。)
バットマンの宿敵ジョーカーの誕生をアメコミの巨匠アラン・ムーアが描いたということですから、バットマンのファンであれば読んでみたくなる1作だと思います。ジョーカーの誕生というと、中途半端なストーリーでは納得できないということになってしまいますが、この作品は簡潔かつ説得力あり!派手でカラフルな画も不思議な魅力があり、狂気の世界にドンドン引き込まれてしまいます。ゴードンの役回りにはかなり同情してしまいました。
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