ファルコムの同名ゲームの漫画化作品。
アニメや小説で活躍されている寺田氏の脚本と
緻密な描画が話題を攫った円氏の絵が見事にマッチ。
角川書店のパソコンゲーム雑誌『コンプティーク』の巻末に
麻宮騎亜の『神星記ヴァグランツ』と共に掲載されていました。
元ネタのゲームではファン・フレディ王子が主人公で
セリナ姫は助けられる側でしたが
MSX2版のソフトでは裏ロマンシアモードというものがあり
コマンド入力に成功するとセリナ姫が主人公になるという
こりゃまたとんでもないけど面白い状態でプレイが可能でした。
そんな訳で本作にはそうしたお遊びも込められているのが心憎いですね。
ゲーム内でもラスボスとして大いにプレイヤーを苦しめた
ヴァイデスが漫画内でもこれでもかというくらい暴れます。
当時はOVAや海外のファンタジー映画などで所謂ビキニ甲冑が
流行してた時期でしたが、本作でもそこまで露骨ではありませんが
上手い具合に取り入れた甲冑を着たセリナが活躍してくれます。
他にも『うろつき童子』や『孔雀王』なんかからの影響が見て取れて
ああ、1980年代の漫画だなあと懐かしい気持ちになれるのも良いですね。
結構凝ったオリジナルシナリオなので一冊で完結しますけど
ボリューム感のある漫画に仕上がっていると思います。
萩原一至の『バスタード!!』や鶴田洋久の『なつきクライシス』
などでも取り上げられたので結構
メジャーかもしれませんね。
ドラマCDも発売されていますので興味のある方はそちらもどうぞ。
余談ではありますが裏表紙のフレディとセリナの
ちびキャラ同士の掛け合い図がほのぼのしてて好きだったり。