小泉政権当時、
普天間問題の実務者である著者の日記をもとにした
手記である。
本書を通して当時総理大臣首席秘書官であった「飯島勲」の名が何度も何度も
でてくる。
あまりにでてくるので数えてみたら35回!
特に著者が危機に陥ると頻繁に登場する。
普天間の政権内の交渉が乗り上げたとき、そして小池百合子問題があがったときは、頻発している。
交渉妥結も
日本が一枚岩になったことで米国との交渉が進んだのだろう。
四分五裂し、なにも前に進まない民主党の政治家は必読だ。
しかし、著者は、本当のことを
まだまだ隠しているような気がする。続編にも期待したい。
飯島勲の新刊に、普天間問題が詳述されていた。
二人の当事者が、それぞれ同じことを違う角度から論じているのを読み比べたら、ひじょうに面白かった。
小泉元総理秘書官が明かす 人生「裏ワザ」手帖
普天間問題に一貫して携わった元防衛次官による第一級の主観的資料である。複雑な利権構造、利権によってしか生きられなくなった沖縄の姿、それに翻弄される、あるいは漁夫の利を得ようとする政治家の姿が生き生きと描かれている。 ただあくまでも著者の目からの記録というバイアスがかかっていることに留意する必要があると思う。 しかし職務上知りえた情報を、ここまでつまびらかにして良いものかという念はぬぐえない。巻末の防衛論も流石と思いつつ読んだが、なにかがこの出版の裏にありそうで素直に本来感じるべき知的刺激を堪能できなかった。佐藤優に通じた自分が奉じた国家に裏切れたという怨念を感じる本であり、この異才がどのような活動をするのかを予言するような本であった。