この作品は望月花梨さんの最新刊となっています（もう３年も前の作品ですが、これ以降は描かれていないようです）。

個人的には初期・中期の荒削りな感じの作品の方が好きなのですが、最近読み返してみて、静かな展開の中にも読み手の心に訴える何かがこの作品の中にもあることに気づきました。

表題作「鍵」他、「アルカロイド」「呼吸」「夜　夜中」「犬と夏服」の５作品から成っていますが、私のおすすめは「呼吸」です。

「呼吸」は３部構成になっていて、最初の２部は同じ時間の流れを二人の人間の異なる視点から見ていくもので、３部目はその後の二人と二人をつなぐ関係についての謎解きがなされます。

一人目はちさ、二人目はちさの級友である小椋美樹子。

ある日、保健室で寝ていたちさは、同じく保健室で寝ていた美樹子が先生と話す声を聞きます。小さなおじさんが自分の上を跳んだりはねたりするので夜眠ることができないという彼女の声を。

上手く人と付き合うことができない美樹子とある出来事をきっかけに彼女に興味を持ち始めたちさとの交流が始まります。小さなおじさんの正体は？ちさが美樹子に興味を持ち始めたきっかけとは？

望月花梨ならではの不思議な世界観が魅力です。

４章の「真実」が謎解きの部分にあたるわけだが…。
犯人が誰かは、話のほぼ真ん中くらいで想像がつく。
そこまでの流れや、登場人物の会話などはスムーズに読むことができた。
しかし、主人公（？）麻衣子の４章での発言が、
中学校によくいる優等生の学級委員みたいで、
正直言って４章を読むのは苦痛に近かった。
３章までは、手に汗を握る感じで読める。

　銃をもった立てこもり犯３人。

　場所は病院。　人質は入院患者と夜勤の医師そして看護婦。

　警視庁の石田警視正がネゴシエーターとして電話で交渉をしていく。

　交渉をする石田警視正にたいして、２年研修をうけたことがある遠野警部と全く初めての品川警察署の安藤警部補を配して、

　説明をするという形で

　交渉術についての解説を織り込んであるために、スムースに読んでいくことができます。

　意外な展開の小説でした。