宗教・法律・倫理に微妙に関わる彼女の行為に対し、私はなんと言ってよいのか正直言って判らない。私は、これを語るだけの知識を充分に持ち合わせていないからだ。
彼女の行為は、少なくとも彼女にとっては「無償の善意」だった事は確か。しかし家族の誰にも話せなかったという事から判るように、彼女に「家族に知られたくない後ろめたさ」があったことも確か。全く矛盾するこの二つの事実は、なぜか彼女の心に同居していた。
警察が家に来た時、なぜ来たのかをすぐ理解した彼女。やはり「悪い」という思いがあったに違いない。仕事の斡旋をしていたリリーに関して一言も述べず、自分ひとりで何もかもを背負ったヴィラ。彼女の人の良さが見える。
何よりも、彼女の心を「ダイヤモンド」と賞し、最後まで見放さなかった夫の暖かさと、娘の婚約者レジーが保釈中のヴィラに述べた感謝の言葉に救われる。手編みの毛糸の保温カバーをかぶったティー・ポットや、クリスマスの夜のチョコレートなど、暖かさを醸し出す小道具も効果的に使われていた。
彼女の居ない歯の抜けたような食卓が哀しい。
自分の独房へ戻っていく彼女の後ろ姿が哀しい。
関係者からの取材に基づいたロムアルデス家の歴史が判る本です。原著執筆時は過剰に神格化された聖女、また今日では逆に稀代の悪女として糾弾されているイメルダ夫人のどちらでもない正しい人物評ではないでしょうか。面白く読めました。大統領夫人としてのイメルダ夫人についての記述が少ないのが残念なところです。
異民族の根強い対立が続くアメリカで教育の現場で、それを解消しようと苦闘する女教師の物語で、はじめは作り話かと思っていたら、最後に実在の人物と分かって驚いた。
フリーダム・ライダーズといえば60年代の勇猛果敢に疾走した白人黒人相乗りバスだが、公民権闘争が終わって双方の対立が融和したかと思っていた1990年代においても、人種差別と相互の暴力的な対立関係がまだ根強く残っていたと知らされて、またまた驚く。
この映画に描かれているように、白人と黒人だけでなくアフリカ系、非ヒスパニック系、アジア系などがそれぞれの派閥を作ってお互いに対峙対決しているのだが、そこにヒューマニズムの理想に燃える若きヒロインが飛び込んで、少しずつ血路を切り開いていくさまは、みているだけでもハラハラ、ドキドキしてくる。
全然勉強なんかする気も、その余裕もない学生たちを最後のハッピーエンドにまで導いたとは物凄い熱血教師だ。授業に関心を持たせるために自費で「アンネの日記」を買ったり、ナチスの「ホロコースト」の実態を教えたり、アンネを匿った実在の人物を学校まで招聘して話を聞いたり、その熱意と行動力にはまたまた驚かされた。
Amazing ! 待っててた甲斐がありました。頑張れメイちゃん
この人の存在をつい最近知りました。 まったく先入観なしでしたがジェフベックと競演しているのが気に入り購入しました。 事前に視聴できたことで安心してましたが、 実際、全曲通しで聞いてみると、どの曲もクオリティーが高く、 すっかりお気に入りの毎日です。
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