裕福な商家のお坊っちゃん祁子俊(ホアン・シャオミン)が、
清王朝時代の権力構造とわたり合いながら、
廃業に追い込まれた家業を才知を活かして立て直し、さらなる成功に導いて破滅していく物語ですが、
一方で生き方の個性がまったく違う4通りのタイプの女性を励まし支え、
(温かく哀しく熱い心音が伝わってくる4通りの関係性にドキドキ。)
人間的にも豊かになっていく人間・祁子俊の魅力が見どころです。
中国の古典的な教訓も随所にちりばめられていて、品の良い作品です。
BOX1のホァン・シャオミンはユーモラスで明るく賢くチャーミングですが、
BOX2ではひげをはやし、苦悩を隠し持った重厚な存在感に変化していきます。
名優さんたちの繊細で熱い演技力は、
マーシャル・アーツや京劇、
上海雑技団を生んだ中国の超人性を思わせますが、
(研ぎ澄まされています!)
とりわけ恭親王役シウ・キンの演技力は芸術的で、
その複雑な心理表現の見事さには見とれてしまいます。
BOX2のラスト・シーンでは、
強大な権力構造を前に真実の叫びを放つホァン・シャオミンの演技力が圧巻ですが、
ホアン・シャオミンがただのイケメンにしか見えない「新・
上海グランド」とは、
かなり違います。