シリーズ３作目の今回は、ヤンが死んだ前後数ヶ月を行き来しながら物語が進みます。

「これで全ての謎が解き明かされる」などという宣伝文句と映画の内容にギャップがあるので、期待はずれになる可能性もありますので、注意が必要です。

サムを殺そうとまでしたボスの元で働いていたヤンが、どのようにしてサムの信頼を勝ち得たかという点は、前作まででは全く触れられていなかったので、この作品で、最後のジグソーパズルがはまってスッキリした部分はあります。が、それにまつわる大掛かりなストーリーは、ヤンとラウ、そして、ウォン警部とサムの物語であった本シリーズの枠に収まっておらず、観客に異色な感じを与えていると思います。新たな登場人物が、このシリーズにこれほど影響を与えている人物であるならば、せめて、１作目あたりで織り交ぜて欲しかったというのが正直なところです。

ヤンとラウの物語の他は、別な作品を見ているつもりになるくらい割り切って見たい作品です。

シリーズとしてのまとまりはないけれど、これはこれでいい映画だと思います。