「青少年のための男色入門」が秀逸でした! なぜ、「燕のくるころまでに・・・」なんでしょう?
東郷健はおそらく後世、日本でもっとも偉大な同性愛者として記憶されるのではないかと思う。世界に先駆けて同性愛者の人権を訴えた行動力には脱帽する。
東郷健の半生を記録したこの書は、一つ一つの章が独立してオモシロク、輝いている。翻訳されて世界の同性愛者に読まれて良い内容だ。
高倉健さんのインタビューを集めた本で、おそらくこの本は決定版だと思う。非常に面白く、かつ奥深い内容だった。そして、彼の人間性の素晴らしさだけではなく、その言葉一つ一つの素晴らしさが伝わる内容だった。
例えば、
セリフのうまい下手よりも大切な事があるのです。(略) 本当に嬉しい、もしくは悲しいと感じたとき、人は「嬉しい」とか「悲しい」なんて言葉を口にするのでしょうか。僕はしないと思う。声も出ないんじゃないかな。
優れた脚本家は言葉で悲しさを表現するのではなく、設定で表現するのですよ。
仕事を決めるにはまずホン(脚本)を読みます。ホンのなかに一言でもいいから、ゾクゾクっとくるセリフがあればやることにしています。
人生に取って大切なものはたったひとつ。心です。
などなど。一言で語るのは難しい本ですが、本当に心が動かされるエピソードも多数入っています。 特に最後のあとがきの部分は圧巻。 是非、興味を持った方がいらしたら、日本が生んだ超一流の俳優の言葉に触れていただきたい。
|