以前は角川系や最近では週刊少年チャンピオンで「はみどる!」を描いていた
まりお金田先生の最新作です。
今回は連載されている雑誌が「チャンピオンREDいちご」ということも
あってか、絵柄や内容もH方向に(笑)パワーアップしているような感じがします。
悠二は、自分の事を「王子」、自分の家を「城」と例えて学校にもいかず…
というより家からも一歩も出ず、ゲームをやったり漫画を読んだりと悠々自適な
暮らしをしている完全に引きこもりの少年。
それを心配した悠二の母親(仕事が忙しくてほとんど家にいない)が、悠二が
一人じゃ寂しいだろうと呼んだのが大場奈々こと「バナナ」と赤井鈴子こと
「リンゴ」の二人のお姉さんでした。
悠二は「一人」が大好きな上に「妹派」なので、いきなり来た姉達を
煙たがって相手にしません。でもバナナとリンゴはそんな事は一向に
かまわず、悠二の好きなPCゲームを一緒にやったりエロ漫画を読み聞かせたり
お風呂に一緒に入ったりと何かと悠二にかまってきます。
このシチュエーションだと、ただ男の子が喜びそうな御都合主義の漫画に
なるのかなと思ったのですが、どうやら今回の作品はひと味違うようでした。
確かに悠二は「妹派」なのですが、それ以上に「姉」を嫌う所があったり
逆にバナナは「姉」に固執していたり、リンゴは「引きこもり」の悠二が
好きだったりと、読み進めていくにつれて3人の過去に何らかのトラウマや
秘密がありそうな気配がしてきます。そんな訳で続きが気になる作品に
なりました。
二人の「姉」は魅力的に描かれているし、悠二の性格もひねくれ方が面白いと
いうか可愛く、それぞれのキャラクターが個性的で読んでいて楽しかったです。
何より
タイトルが秀逸すぎるw
少年チャンピオンと言えば「スポ根」「不良」マンガが主流でしたが、うって変わってお色気コメディー路線の作品です。売れないアイドルユニットの話で毎回地下二階の扉には罵倒された文字が書かれる有様。然し、当のアイドルたちがそんな事お構いなしで今日も売れようと儚くも営業に行きます。まあ、お約束のお色気シーンもふんだんに盛り込まれています。
少年チャンピオンも最近は「みつどもえ」「イカ娘」などメディアミックスされた作品も出てきて従来のイメージを払拭する作品が多くなっていることも事実です。その事を如実に表したのがこの作品です。内容の展開には?をつけてしまうこともありますが、その分有り余るほどの作者の女性の流麗な描かれ方が秀逸です。女性キャラを見てみるだけでも良いかも知れません。