表紙カバーの「霊峰ぶり」。
ジャズファンならわかると思うが、「ジャケ買い」しました。
そして読んでみると……。

加門さん、さすがですね。

徐福ルートの解説は、さすが風水女王。
なるほど陰陽道の見地からは、逆さ富士に秘密があると。
なにより、現在も富士山を信仰し、
白い行衣を着て登山している
富士講行者さんとの
「富士山の霊力」についての一問一答がおもしろかった。
これは、富士山に関する書は数多あれど、
ほかでは読めなかった貴重な情報が満載だったので、
ページの折り曲げや書き込みをしまくりました。

とくに、ご来光はどこで拝むとありがたいか？

ここのところは、
いかに世間に流されて、何も考えもせずに
盲信していた自分がいたかを痛感、そして反省。

それにしても
歴史的、民俗学的、宗教的、
そしてちょっぴりオカルトのスパイス……
加門七海さんには、
平成の、21世紀の柳田國男となるべく
突き進んでほしいなぁ。
と期待しています！

ずっと気になっていて、そろそろ手に入れたいなと思っていたときに、文庫本で発売になったのですぐに購入した。

内容を全部は知らなかったので、物に取り憑いたあやかしの話が主かと思っていたが、その「もののけ物語」は104ページまで。そこから先は、「怪談徒然日記」という、「某日某日」に何々があった…という形式の不思議な話（実話）が196ページまで。そこから最後までは「ほんとだよ」という題名で、実際にあったいろいろな不思議な話が書かれていた。そういう怖い話を怖いもの見たさで読むのが好きな私にとっては、買って得をした1冊となった。

私は何も感じない性質でラッキーなのだが、それでも骨董などの古い物は手に入れないことにしている。古くから使われていた物には、どうしても元の所有者の念が籠もっているような気がしてならないからだ。この本にも、そういう古い物にまつわるエピソードが満載だった。

それにしても、加門さんは怖い経験、不思議な経験の多い方だと思う。そして、「もののけ物語」のところで驚いたのは、同じく不思議な経験をしていながら、それを意外と当たり前に普通に受けとめている加門さんのお母さんの存在だった。すごい…。

解説は波津彬子先生。