「なぜ刺すか」という疑問の立て方は置いておいて、専門的ながら大変楽しく読むことのできた本だった。
「臨床の知」という言葉がある。物事に対処する上で、ただ客観的な情報としての知識を増やしてそれを駆使するのでなく、身体を通してまさに身に着けた知恵を生かすことである。著者の研究態度がそれである。どのハチに刺されると一番痛いかということが、「私の経験では」と前置きされてハチに序列を付けて書かれてある。また、南方のスズメバチの観察のために、その巣のある木に著者が登ったら一斉に襲ってきて頭を刺されたが、事が済んで後から見てみると、ハチの頭だけいくつも髪に噛みついたまま残っており、「ハチも命がけなのだ」と感想を漏らしているところ、ハチに愛すら感じられる。この他、同じような人々のエピソードがあって、印象深い。
　絶版になったかと思ったが、アマゾンで見つけられて嬉しかった。

ゴキブリ退治用に使ってください。いちころ秒殺、即動かなくなります！