精霊の守り人 SET1 〈期間限定生産〉 [DVD]
某動画サイトで精霊の守り人のOP映像を見て、半ば衝動買いで購入した今作ですが、後悔は全くしておりません。
それどころか、映像美・物語性・音楽・声優の質の高さに「今までなんで出会えなかったのだろう?」と悔しい思いをしました。
他の方も書かれておりますが、まず特筆すべきは価格の安さ。
SET1は1話〜14話までを収録したディスクが収納されているという大ボリュームながら、値段はDVD一本分にも満たない低価格。
後半が収録されているSET2と合わせても一万円以下で購入できます。
映像や音楽はさすがプロダクションIGです。
田園風景や街の景観が非常に美しく、アクションシーンは第三話の激戦において圧巻の一言。
個人的には『攻殻機動隊』に匹敵する充実したバトルシーンになっていると思います。
随所に流れる音楽はヒーリング音楽のように落ち着いたものから、アドレナリン迸るアツい戦闘BGMが豊富に用意されており、
いつもいつも絶妙のタイミングで流れ始めます。
物語はしっかりとした骨太な内容で、原作を読まれていない方も「???」となる事はないと思います。
オリジナル展開が所々にありますが、よく2クールで収めきったなぁと感嘆するくらい良いストーリーになっています。
登場人物も女用心棒バルサと第二皇子チャグムをはじめ、薬師タンダやトロガイ師、星詠み博士シュガ、狩人などなど魅力的なキャラばかり。
どの人物も確固たる信念を持ち、誰かの為に、国の行く末の為に東奔西走していく姿は素晴らしいの一言。
最後に。
この作品は『動』を主体とした単純なバトルを望んでいる方には向きません。
近年の日本アニメに蔓延している「媚びた萌え」は一切ありません。
児童文学が原作とは思えない、ものすごく安定した物語展開があります。
なので、私としては深い人間関係と絆を読み取っていく『静』に重点を置いた優しい作品を望んでいる人に視聴していただきたいです。
近年稀にみる大作で、放送から5年がたったとは思えないクオリティです。
内容とSETの値段が良い意味で反比例しており、大変満足しました!
精霊の守り人 SET2 〈期間限定生産〉 [DVD]
精霊の守り人廉価版の後半15話から26話です。SET1とあわせても1万円を切るアイテムなので、SET1を購入した人はぜひSET2も購入しましょう。
両方あわせての注文もお勧めです。
SET1の内容から考えると、普通のDVD-BOXと違ってケースがDVDを収録するだけの脆いものだったり、ブックレットが付いてなかったりと、廉価版だけあって注意が必要です。
DVDだけ診られればいいという場合はお得ですが、ブックレットが欲しい場合は、通常版をお勧めします。
また、期間限定生産なので、それも注意が必要です。
精霊の守り人 2〈初回限定版〉 [DVD]
諸手を挙げて大絶賛するのは、個人的にはあまり好きではない。いくら好きな作品だとしても、それは面映い物である。
しかしこの『精霊の守り人』は最近見たアニメの中では、個人評価としてはダントツTOPの良作だ。その映像と物語のクオリティに関しては、TVアニメーションという枠に収めてしまうのはもったいないほどだ。
そんな思いを決定付けたのは、この巻に収録されている。第3話「死闘」。
第1話〜2話の映像クオリティの高い作品はいくつもある。だが残念な事だが、10数話以上にも渡るTVシリーズで、その同じクオリティを保ち続けることは困難だ。大抵は3話で、最初の『崩れ』が出てしまうものだ。
だが精霊の守り人は違った。第3話の映像のクオリティは素晴らしい。特に戦闘シーンという物は、激しいアクションでコマの荒れを誤魔化そうとするあまり、一見動きのある映像に見えるが、ひとつ間違えばとても軽い物になってしまう。
「死闘」での戦闘シーンはまさしく死闘だった。バルサの空を切って唸る槍の『重さ』、狩人達の振るう剣の『鋭さ』、張り詰める殺気。それらすべてがまるでその現場にいるようにリアルに伝わってくる映像クオリティ。そして秀逸なのが川井憲次氏の音楽だ。
この3話を初めてTVで見た時、「この作品は並みの作品ではない」と確信した。
ビデオだったら、擦り切れてしまう所だけどDVDで良かった…と自分でも苦笑するくらいに、戦闘シーンを何度も繰り返して見た。
もしもこの「精霊の守り人」のDVDを買うのを迷っている人がいたら、この2巻だけでも買うべきだとお勧めしたい。
獣の奏者 外伝 刹那
なるほど、こんなに濃密で激しい恋愛を本編中に挿入すれば、物語に障るかもしれない。そう思うほど、それぞれのキャラクターの背景や心情を掘り下げてある。こんな話が作者の頭の中にはちゃんとあったんだなぁ。
底無しの孤独と虚無感を抱えたイアルに、「生きることをあきらめたくない」と身をよじって泣き、すがるエリン。辛い恋を経ても尚、知識を得る喜びに震え、学問を追求して顔を上げる若き日のエサル。歯を食いしばって生きようとする二人に、なまくらな自分は圧倒される。
イアルとエリンがどんな風にして結ばれたのか。ずっと気になっていた、その部分をイアル視点で読むことができて楽しかった。
精霊の守り人 (新潮文庫)
朝日新聞のヤング向け書評を読んでいたら、大人にこそ読んでもらいたいファンタジーと
書いてあった。
こういう感じで、小野不由美の十二国記も手にした事を思い出して、ここは50過ぎたお
ぢちゃんが、等と言う言葉は振り切って、エイって買ってみた。
いやぁ、おもしろい。
異世界ファンタジーと言うのは、最初の数ページでこれはちょっと、と思う場合と、そこ
で引き込まれてあっという間と言う場合の二種類がある気がするけど、本書はもちろん後
者の方。
ありえなぁいと叫ぶだけのような、そんな浅いファンタジーではなく、とてもとても重厚
な、しっかり細部も練り込まれた、実に味わい深い作品でした。
主人公の設定が老練な女用心棒と言うのがそもそも面白いが、脇を固める登場人物が、全
てとても人間味がある、ドラマチックな人達ばかりで物語に色を添えている。
わくわくドキドキのはらはら感もたっぷりで、戦闘シーはなかなかの迫力。
この作品はシリーズとしてあるそうな。
嬉しいなぁ。さぁ、次を読もう。