STORY BOX JAPAN 青森へ/ストーリー・ボックス別冊 全読み切り (小学館文庫)
何より「読み切り」というのがとても良いです。
同じ土地勘に住む方々は郷土やその土地を思い浮かべながら
読めると思います。
県民の方は特におすすめのような感じがしました。
コイノカオリ (角川文庫)
みなさんおっしゃるように、宮下奈都の「日をつなぐ」は傑作です。不思議な構成のストーリーのたたみこむようなラストは音楽が聞こえます。それ以外の作品も力作ぞろい。短編なのに、どれも長編をよみこんだような読後感があります。
聖なる夜に君は (角川文庫)
過ぎてしまいましたが、季節がらのテーマで手に取りました。
一番気に入ったのは、盛田隆二氏の「ふたりのルール」。メインの登場人物
二人のわけありな関係を全面的に肯定はできないが、お互いの思いやり、
優しさがとても気持ちを和ませてくれます。
その他の作品もそれぞれの持ち味があり、新たなお気に入りの作家を見つける
のに良い機会になりました。
アンダスタンド・メイビー〈下〉
島本さんの書かれたものは、ほとんど読ませて頂きましたが、 これほど何度も 「そっちへ行っちゃだめ」と引き止めたくなった主人公は初めてでした。 なんとなくですが、その時その時で主人公・黒江が関わっていったひととの末路が想像できました。 だから余計に、ほぼその通りでぞっとしました。 『こうなるかも知れないから、こう行動しないでほしいな』 と思うのに、嫌な予感がことごとく当たる当たる。 この主人公は、自分を傷つけるために行動してるんじゃないかと思ったほどでした。 殺伐としていて、救いようがないんじゃないかとも思いましたが、最後はほんのり希望的。 だけどほんとに痛かった。 表紙と帯と「島本さん」というだけで手に取ると、キツイかもしれません。 いろんな意味で、『大きな熊が来る前に、おやすみ。』の、上をいってると思います。