Time has come
正直言って、情熱大陸が聴きたかった。葉加瀬太郎と古澤巌のデュオだからこそ出来る情熱大陸。芸大在学中からクラシックの枠を超えていた葉加瀬さん、東フィルのコンマスをはじめクラシックの王道とも言える道を歩んできた(最近越えていますが)古澤さん。そんな二人のデュオが素敵です。オススメは何と言っても遊び心満載の情熱大陸。クロスオーバーの音の葉加瀬さんとクラシックの音の古澤さん。そんな二人の音の違いを楽しむのもなかなか楽しいと思います。
情熱大陸~葉加瀬太郎 SELECTION~
バイオリンの曲はほとんど聴かないが、この番組のテーマは好きだった。一度全部キチンと聞いてみるかと思い、思い切って買ったのだが、買ってよかったと思う。1週間ほどこればかり飽きずに聞いた。
テレビ番組関連のCDなので購入前は曲の構成がどうなのかと気になったが、今までに「情熱大陸」に出たミュージシャンの曲と葉加瀬の曲とをうまく組み合わせている。CDの曲構成に乗り、違和感なく、久しぶりに坂本龍一の"NEO GEO"も聞いていることに気がついた。
インストロメンタルを聞きたいが、クラッシックではなくポップな感じの曲を聴きたいと思う人には強くお勧めする。最近買ったCDでは出色の出来だ。
ヴァイオリンサミット 2006 [DVD]
何回も見て聴いても飽きません・・・。
ライブ感は当然、ポップな曲からクラシックな曲まで幅広く演奏され、演奏者の個性もそれぞれ違うので同じバイオリンでも飽きてこない。
奥村愛の弾く「愛のあいさつ/E.エルガー」、NAOTOの「SPAIN」,柏木広樹の「航海記」が私のお気に入り。
CDを聴くのもいいけど、視覚的に引き込まれるのもよいですね。
THE VIOLIN BROTHERS LIVE!! [DVD]
音源は、リニアPCMと5.1チャンネルから選べるので問題ナシです。
注意点として、葉加瀬太郎だけが好きな方や彼の音楽だけが好きな人には
向かないと思います。こういうアプローチでのコンサートもあるという感じなの
でどちらかといえば、いつも葉加瀬のコンサートをみていて飽きた人向けといった
感じでみればいいと思います。
2008年の「RE」のツアーから、年明けですぐにした公演で、公演場所もそん
なにないため見ていない人も多いのでは。そういう人にはおすすめです。
MCに関しては、葉加瀬太郎のコンサートはご当地ネタが多いので入れにくいのだと
私は思います。そこは会場で味わってください。
Le Grand Amour
冒頭の「ラベンダーの咲く庭で」を聴いた瞬間そう感じました。古澤巌のアルバムはかなり聴いてきたはずなのに、改めてそう思わせるような温かくて輝かしさに包まれた音色は唯一無二といえるでしょう。アルバムのタイトル「Le Grand Amour(すべてを包み込む大きな愛)」そのままのイメージが伝わる演奏から始まるCDの水準の格別の高さを予見させるものでした。
「ニューシネマパラダイス〜Medley〜」の冒頭のヴァイオリンのポルタメントが郷愁を誘います。東儀秀樹の篳篥がすすり泣くようなメロディを奏で、オクターブ上を古澤が彩っていました。秀逸のアレンジですし、心の奥底にまで入り込むような名演奏でした。6分弱のメドレーにドラマを見た思いです。
意表をつかれる「いい日旅立ち」でした。アルゼンチン・タンゴのようであり、ピアソラのバンドネオンの雰囲気が感じられ、うま味と凄みが凝縮した演奏です。
「SWING 39」は1939年のスウィング・ジャズを意識したもので、古澤が敬愛するステファン・グラッペリへのリスペクトも感じられる激しい演奏でした。力演ですし、この疾走感は快感につながりました。才能の煌めきが感じられる演奏です。
「カトレアと風」は一転して和みと穏やかさに包まれました。変幻自在ですね。
「AFRICA」の声は実際にアフリカで収録されたようで、世界紀行にピッタリの音楽です。
「エマニエル」の東儀秀樹の哀愁を帯びた演奏はこの曲をぐっと引きしめます。古澤の音楽だけでも大満足なのに東儀秀樹とのコラボレーションは実に華麗で見事です。お互いの持ち味を生かし切っていました。古澤の感情の高め方はテクニックではなく、心の豊かさと感性の鋭さが作りだす境地によるものでしょう。
「ハーモニカの男」は雄大ですし、「愛のシンフォニー」はひたすら美しく、「ピアソラのアベ・マリア」からは祈りが感じられました。
このアルバムの収録中に未曽有の大震災が起こり、古澤巌はラストに「大いなる世界」をもってきました。彼は「必ず明日は来る。共に歩んで行きましょう。一緒に。」という気持ちをこの曲に込めている、とのことでした。