狐とアトリ―武田日向短編集 (角川コミックス ドラゴンJr. 111-1)
武田日向さんの初短編集、ついに登場です!
表題作「狐とアトリ」と、「ドールズ・ガール」「やえかのカルテ番外編」を収録。
どれも素晴らしいのですが、やはり秀逸なのは「狐とアトリ」でしょうか。
絵については、素晴らしすぎて言う事が無いのでノーコメント。
物語の後半、狐が正体を現すシーンは、切迫したシーンがスピード感あるタッチで
描かれており、迫力あります。
私は武田さんは「GOSICK」の挿絵で知ったクチなのですが、これには衝撃受けました。
やっぱすごいわ、武田日向。
とは言え、ストーリは「やえかのカルテ」を継承するようなとてもハートフルなもので、
最後はどうなるかと思いましたが(^^;、ホッとしました。
かわいい女の子を描ける人はいっぱいいます。
ファンタジーな世界を描ける人も、そこそこいっぱいいます。
しかし、「現代日本ではない実在する(した)世界」を破綻せずに描ける人は、
武田さん以外かなり少ないと思います。
「狐とアトリ」や連載中の「異国迷路のクロワーゼ」、「GOSICK」の挿絵は、
まさに武田日向の独壇場、武田さんにしか描けないものだと思います。
唯一残念なのは、武田日向さんの作品が少ない事…。
たくさん武田さんの作品を見たい、でも、作品の質は落として欲しくない…。
一ファンのジレンマです。
異国迷路のクロワーゼ 1 (角川コミックス ドラゴンJr. 111-2)
パリへ渡り、日本との違いに戸惑いながらもいつも一生懸命なユネの姿に心打たれます。また絵がとてもきれいです。カラーの部分のユネの着物姿は本当にかわいらしくてきれい。細かいところまできちんと描かれていますし、一押しの一冊です。今から2巻が楽しみです。
ドラマCD「エン女医あきら先生」
待ちに待ったドラマCDです。
この勢いでアニメ化されてもおかしくなかったのですが、時代が早すぎましたね。
今なら(2010年)きっとアニメ化されていたのでしょうが。
もったいないことをした作品です。
京都アニメーションさん、今からでも遅くはありません。是非、アニメ化をお願いします!!
異国迷路のクロワーゼ(2) (角川コミックス ドラゴンJr. 111-3)
他の方のレビューの評価が高いところで水をさすようなレビューは気が引けるのですが、2巻を終えてもこれでは、単なる「シチュエーション萌え」のヲタ向け漫画と判断されても仕方ないと思います。何なんでしょうね。感動のエピソードを適度に配列して青年と少女の絆が深まってきているはずなのに、この薄っぺらい感じは。思うに、そもそも何故、日本の少女がパリで奉公しているのかを、そろそろしっかり描き記す必要があるのではないのでしょうか。少女の仕草の可愛さ、いじらしさだけでそうそう読者を引っ張れるものではないと思います。
ドラマCD やえかのカルテ 初回限定版 2枚組
CDジャケット・原作コミック共に最近流行の「萌え絵」ですが、ただの「萌え話」では終わらない所が、この作品の魅力です。
人間と動物の関係・接し方を大切に考え、少しファンタジーを加えた獣医という職業を通して暖かなストーリーに仕上げられています。
主人公「やえか」という天真爛漫な少女の素直な姿に、他の登場人物達同様「忘れていた・見ようとはしなかった何か」を思い出す事が出来るでしょう。
一つ残念だったのは、当初原作のイメージと比べて声優さんの声に少し違和感を感じてしまった点です。しかし、聴き慣れていくうちに違和感が無くなって物語に引き込まれていきますので、十分楽しめると思います。