心に太陽を持て
ドイツの詩人ツェーザル・フライシュレンの詩「心に太陽を持て」から始まるこの本は元々、昭和10年、「日本少国民文庫」全16巻の中の第12巻として配本されたものである。世界中の心を打つ話が掲載されている。戦後になって、10編余の話を戦前の版に加えた上、昭和56年にそこから21編の話が掲載され、新潮文庫から発行されている。
軽妙な話もあるが、勇気づけられる読み応えのある話が多く、ぜひ多くの方に読んでいただきたい1冊である。特に戦後加えられた話である「リンゴの並木」は素晴らしく、大火という絶望の底から精神的な復興まで成し遂げた実話であり、深い感動を覚える。本当にあった話であることが信じがたいほどだ。世界に誇れる我が国の話として多くの方にぜひ読んでほしい1編である。
心に太陽を 唇に歌を
藤原正彦先生の小学校時代を読み物として著したのが本書です。
藤原先生が他書でも語っているように腕白でクラスのボスであり、クラスを統治するに当たっては暴力を辞さないながら、弱いものいじめをしないこと、多勢でいじめることをしないなどの卑怯を許さない精神で行っている様が描かれています。
描かれている風景は、30年くらい前までは見られたような風景で、非常にノスタルジーを感じます。
このようなことが、自然と行われていた時代にはイジメもあったが、それによる自殺はなかったというのが藤原先生の持論です。
話としては、非常に面白かったです。ただ、誰向けに書かれたものかということはちょっと考えてしまいました。
書き方としては藤原先生のエッセイ風なのですが、体裁としては小学生向けのような感じもします。ただ、小学生の共感を殊更得ようとはしていません。
内容としては、面白いのですが、その辺のことが気になってしまいました。
私的には、藤原先生のエッセイとして楽しみました。
心に太陽を持て (新潮文庫)
山本有三氏が多くの少年少女のために手がけた短編集です。教科書に載っているようなわかりやすい文章で綴られています。
どんなに辛くて苦労や困難が絶えなくても、心に太陽を持つように希望を失わずひたむきに生きていれば道は切り開いてゆける、作品全体を通してそう教えてくれます。今の子供たちにも是非読んでほしい作品です。