戦闘妖精少女 たすけて ! メイヴちゃん (初回限定版) [DVD]
だいぶんべたで、ちょっちシビアなおたく賛歌。
あぁ、予算ないのかなぁ、と思わせるアニメーションだけど、20分ちょっとの時間に多くもメッセージをつめこんで、しかもギャルゲー的アニメとしてのお約束もそれなりに盛り込むという力技をやったわりには話がバラバラにならずにしっかりしている。ただの薄くて軽いパロディアニメで終わらせないっていう作り手の気概が見える。リミテッドアニメの特徴をフルに使って、わずかな画でも効果的に見せる演出も匠の技だね。欠点を利点に変えるうまさが光る作品だ。ずぶずぶ予算を使ってCGに凝る作品もいいけど、こんな動かない画を動いて見せる技術も大切にしていかんとねぇ。
でもこの作品で一番の特徴といえば、ボクみたいなアニメファンにはかなり痛いキャラのセリフ。「私たちは人間社会の縮図」とか「残念だけどここは天国でもなければ、天国にそっくりな星でも、ないと思うわ」とか「好き好んでこんな姿に生まれたわけじゃないのに」みたいに使い捨てにされる「萌えキャラ」たちの「ホンネ」を描こうとしているみたい。自分が作ったキャクラターにはかなり愛着をもって接する、もりたけし氏が監督、脚本なだけあって、ありきたりな美少女ものには終わらせたくないんだろう思い入れが感じられる。それがそれぞれのキャラの深みと陰を演出して、一話完結のささやかなOVAとは思えないほどそれぞれのキャラが立っている。2クールのテレビアニメでもキャラの個性の取ってつけた感がぬぐえないものもあるっていうのに、この作品ではそれぞれの個性はとてもはっきりして、しかも生き生きしている。監督に黙ってでも入れるというスタジオファンタジアお得意のパンチラシーンはお約束のひとつとして、これはなかなかの秀作、隠れた名作になるかも。
ぼくらは都市を愛していた
読後、思いうかべたことは、震災後の情報の断裂というべきものだった。
あの震災のあと、以前の社会の共通認識というべきマスメディアはその報道姿勢において懐疑の目を向けられ、ダウンロード違法化その他の情報の扱いにおいて今も大衆の不信は続いている。
一方で新興のネットを中心としたSNSなどは、無数の主観とそれらが発する情報をばらまきながら、主体性に欠いており(カオスを呼ぶことはあっても)世の中を牽引する力はなく、ノイズとしか言いようがない。
社会が持つ主観―かつて客観的事実と呼ばれた"現実”を欠いているのが、現代であり、統合失調症におちいった都市という小説の世界観はまさにそのことを表しているように思える。
戦闘妖精雪風 OPERATION 4 [DVD]
原作と比較することはあまり意味がない。DVDはDVDとして評価すべき。さてこの回だが、とにかく雪風の機動がすごい。航空工学の最先端の機動だ。現に現有機でも似たような機動の出来る機体は存在する。メイヴはその進化型だ。主翼も動翼面として機動性を高めている上、エンジン推力を利用してホバリングする「コブラ」までやってくれるサービスぶり。最先端の航空工学に興味のある人には十分楽しめるはず。ドラマとしてみれば、地球人と「フェアリー星人」に分化してゆくような将来を予感させる展開になっている。次回作が楽しみだ。
戦闘妖精雪風 デスクトップアクセサリー
雪風にハマり、勢いで買ってしまいました。ゲームをクリアすると壁紙が増えてきますが、そのゲームがコツを掴むまでが大変!コツさえ掴めば後は楽々!結構楽しめました。
内容的には、少し物足りないですな。出来ればタイピングとかも入れて欲しいかったかな。私的にお勧めはメールチェッカー。零のヴォイスでセット。機体選択ではメイヴかスーパーシルフを選びます。そうすると「雪風が敵だと言っている」の声と共に機体が現れ「ENGAGE」と表示されます。後は時計のアラーム。ジャック(中田さん)の声にウットリ!
意味無くセットしています。ある意味たまらないかも~(多汗)
アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風 (ハヤカワ文庫JA)
他の皆さんも書いているように、前作を読んでいなければまずわからないですし、読んでいても、設定を完全に理解しながら読み進む事は出来ませんでした。今までの神林作品に無いくらい、これでもか、という思弁の積み重ね。
でも、細かい事はあまり気にせずに、まずは一気に物語を追って行くと(というか、細かい事は置いといて、とにかく先へ進まずにはいられなかった)、ラスト、あまりにカッコ良く美しいシーンに痺れました。
このラストシーンのために、どうか皆さん頑張ってほしいです。
(細かい事は、再読、再々読での理解を目指します)
巻頭のエピグラムも、物語を知って改めて読むと、痺れます。