ジム・モリスン詩集―「神」「新しい創造物」
これは、本当に美しい詩集ですよ。六十年代に活躍した伝説的なバンド、ドアーズのボーカリストだったジムモリスンが、一方で胸中に真の詩魂を秘めた人間であったという事がよく分かります。
本詩集は、英語の原文も付いているので、ジムモリスンの詩人としての力量も直接に味わえます。たとえば、「神」(The Lords)という表題の詩集の第1行目は、日本語訳で「ぼくたちの崇めるところを見よ」となっています。これは英語の原文では、「Look where we worship」です。発音を簡単にカタカナで表記すると、「ルック、ウエァー、ウイ、ウォーシップ」。要するに、「ルック」と軽く発音したあと、三つ連続して語頭に母音が続いているでしょ。これによって、印象的な響きの中に言葉の意味を超えたイメージが沸いてきます。
かつてドアーズのカリスマ的なボーカリストだったジムモリスンが、同時に真の詩人の一人であったという事は、死後三十年以上経ってようやく多くの人々に気付かれるようになっています。彼は夭折したアーティストの一人ですが、この詩集はそんな彼の芸術家としての美意識がぎっしりと詰まった、まさに珠玉の一冊です。
ザ・ドアーズ ライブ・アット・ハリウッドボール [DVD]
とはいうものの、映像はビデオ版とあまり変わらず・・・。
時代を考えるとしょうがない気もするが、もうちょっと
頑張って欲しかった。
あと、日本版というのに字幕がイタリア、スペイン、中国しかない。
これではせっかくのインタビュー映像が・・・。
レッド・ハウス~ライヴ1968
ジミとジムの共演というよりは、泥酔したジムがジミの邪魔をしているだけ。悪ノリで卑猥な言葉を連呼するジムはかなり笑えるが、ジミのファンには不快なだけだろう。個人的には好きな一枚。
太陽を待ちながら
最近はいろいろ出ているから、よく調べると新しいのなんかがあるのかもしれませんが、ちょっとむかしまでは、たぶん「Wintertime Love」の入っているベスト盤というのは1枚くらいしかなかったはずだと思います。どうしてなのか、この曲がたまらなくすきで、メロディもテンポも、すべてが完璧にきっちりまとめられた美しい作品だと思います。たしか、こんなキャッチーな作風でもあるし、これはロビー・クリーガー作品だったと思いますが、2分に満たない小品だけれど絶妙な感覚。ハープシコードのたっぷりとした流れ、盛り上がりの急上昇、降る雪の冷たさみたいな展開のきらめき、気負いのない自然なヴォーカル、せつないコーラス、なだれ込むようなエンディング、すべては一瞬のうちなんだけれどどうしても胸がいっぱいになります。「今年の冬はとても寒くなる」というリリックも素晴らしく美しい。
ジム・モリスン詩集―「神」「新しい創造物」
これは、本当に美しい詩集ですよ。六十年代に活躍した伝説的なバンド、ドアーズのボーカリストだったジムモリスンが、一方で胸中に真の詩魂を秘めた人間であったという事がよく分かります。
本詩集は、英語の原文も付いているので、ジムモリスンの詩人としての力量も直接に味わえます。たとえば、「神」(The Lords)という表題の詩集の第1行目は、日本語訳で「ぼくたちの崇めるところを見よ」となっています。これは英語の原文では、「Look where we worship」です。発音を簡単にカタカナで表記すると、「ルック、ウエァー、ウイ、ウォーシップ」。要するに、「ルック」と軽く発音したあと、三つ連続して語頭に母音が続いているでしょ。これによって、印象的な響きの中に言葉の意味を超えたイメージが沸いてきます。
かつてドアーズのカリスマ的なボーカリストだったジムモリスンが、同時に真の詩人の一人であったという事は、死後三十年以上経ってようやく多くの人々に気付かれるようになっています。彼は夭折したアーティストの一人ですが、この詩集はそんな彼の芸術家としての美意識がぎっしりと詰まった、まさに珠玉の一冊です。