レーニン (光文社古典新訳文庫)
レーニンとともにロシア革命を主導したトロツキーが語るレーニンの実像。
スターリン体制の中で、神格化されていくレーニン像に対して、若い頃からレーニンをよく知るトロツキーが、その神格化を否定し、人間らしいレーニンを紹介している。
レーニンが時折見せるちょっとした仕草。笑い始めると止まらなくなることなど、親しかった人間しかわからない、”人間、レーニン”がこの本には詰まっている。
その一方で、レーニンの革命家としての側面も描かれている。
トロツキーによれば、レーニンは徹底した功利主義者で、革命に役立つものだけをひたすら追求し、そのためには非人間的な行動もまったく厭わなかった、といった側面も、隠さずに紹介している。
特に、1917年の10月革命にまでいたるボルシェビキ内部の様子が克明に描かれているのは、当事者による貴重な歴史の記録だ。
勿論、それらは、すべてトロツキーの目を通した姿でしかない。
そのことを忘れることはできないが、読み物としては、非常に面白い、ということもまた間違いない。
グッバイ、レーニン! [DVD]
母の命を守るため、大きなショックを与えないよう医師から宣告された息子は、
家族や仲間たちと壮大なウソをつく。
それは社会主義に傾倒する母に、ドイツの東西統一を知られぬよう、「東ドイツはまだ存在する」と演じること!!
なんともスケールが大きいウソだけに、ニュース番組やすでに入手困難となった食料品を自分たちで作ってみたり・・・もうとにかく必死。
やっていることは騙しかもしれない。けれど、そこにあるのは母への「愛」、それだけ。
そして、ウソが作りだす「存在しない東ドイツ」で母が見たものとは・・・
面白くて、心温まる作品☆特にラストがいい!
1/700 潜水艦シリーズ レーニン
アルファ級潜水艦の模型が欲しくて探していましたが、どこにもないので、
巷に溢れている(?)この製品を購入。
パーツ同士の合いも結構良く、部品数も少なくて、作り易いです。
また、この値段で、フルハルモデルとウォーターラインの両方が手に入り(選択式ではないです)、
普通のディスプレイスタンドと、海面を模したディスプレイ(フルハル、WLの両方を同時に飾れる。)が付いて来るのは、お買い得かもしれません。
精密さとかは、求めるべくもないですが。
ただ、組み立て説明書では、艦首水平板の取り付け位置が、明らかに間違っていると思われます。
正しくは、一番前方の穴に差し込むのだと思いますが、説明では、それより後ろの溝に取り付ける説明となっています。
また、材質の強度も脆く、迂闊な事をすると、簡単にもげたり、折れたりしそうです。
気軽に楽しむ分には、良い商品かもしれません。
「グッバイ、レーニン!」オリジナル・サウンドトラック(CCCD)
とかく織りなす音楽は、全面に寂寞とした感じが出ていて美しいです。サマー78の歌詞はお母さんの感覚なんでしょうか、個人的には東西ドイツやらユダヤ人やら朝鮮の人々やら、多くの人々が直面しただろう歴史を思い出し複雑な思いにとらわれます。作曲者の彼は「アメリ」で有名ですが、所々アメリっぽさもかいま見られて面白いですよ。映画を見て音楽に心とらわれちゃった人やヨーロッパ的ジメジメ感が好きな人にはおすすめできます。
割り切れなさの残る、純文学の様な作品です。
モーツァルト:交響的変態
徐々に忘れられる運命にあるのか、数十年後の聴かれ方が非常に気になる作曲家パウル・デッサウ。ショスタコーヴィチやプロコフィエフは、表向き体制側に寄っていた時代の作品は“そうせざるを得なかった”と免罪符を与えられるが、常に社会主義体制下にあった作曲家は芸術家としての魂を売り渡したかのように扱われる。これら“失敗であった”社会主義イデオロギー下の音楽もまた“失敗作”として社会史・音楽史の一部としてしか存在価値が無いのでしょうか?社会主義礼賛音楽家パウル・デッサウの作品です。
収録曲は以下の通り。
1〜4.交響的変態
モーツァルト「弦楽五重奏曲変ホ長調K.614」による (1965年作)22:52
スウィトナー/シュターツカペレ・ベルリン 1965年録音
5.レーニン
ブレヒトの詩による終曲合唱「レーニンの墓碑銘」付・管弦楽音楽第3番 (1969年作)19:12
デッサウ/シュターツカペレ・ベルリン,ベルリン歌劇場合唱団,ワルター・オルベルツ(ピアノ)他 録音年不明
<交響的変態>はモーツァルトの音楽を拡大・誇張した音楽。思想云々は抜きにして愉しめます。アクセントやコントラストは派手に、楽器は強奏で・・・。然しながら受けた印象は“粗にして野だが卑に非ず”。本来はもっとデモーニッシュに誇張され下卑た音楽となるべきなのかもしれませんが、そうならないのはスウィトナーさんの人柄でしょうか?
一転して<レーニン>は不協和音を多用し、レーニンの強靭な意志・執念・苦悩を感じさせます。ベートーヴェンのピアノソナタ第23番ヘ短調作品57を下敷きにした3部構成の曲ですが、なんでもレーニンはこの曲をとても気に入っていたとのこと。ラスト3分ほどで合唱が入りますが取り直す気は無かったのでしょうか?歌唱も歌詞に対する気持ちも全然成っていません。1970年頃(綻びが出始めた頃)の東ドイツでレーニン賛歌を、本音では歌いたくないという心の表れかもしれませんが。
点数付けを行うにはいろいろな「文脈」が在りすぎるアルバムなので、単に聴いてどの程度愉しめたかの点数でいうと星3つくらいでした。