知識ゼロからのワイン入門
「課長島耕作」の著者によるワイン入門。島課長のようにちょっといけ好かない内容かと予想しましたが、意外や意外、とても分かりやすく書かれています。
ただ蘊蓄を披露するだけのありがちなワイン知識ではなく、本当に初心者にワインの素晴らしさを伝えたい意図が伝わってきます。
「値段」「銘柄」しか判断基準がなかったので分かりにくかったのですが、「産地」「品種」「年代」「造り手」の4つにポイントを絞った解説がとてもわかりやすく、これならワインの世界に入っていけそうです。
あとがきに「ワインを日本経済を引っ張り上げていく尖兵にしたい」とありますが、著者の意気込みを感じる良書です。
ドラマスペシャル 課長 島耕作 [DVD]
おもしろく元気が出ました。全シリーズやってほしいです。34歳で初芝の課長、家庭崩壊、会社の派閥、会社の乗っ取り、さまざまな問題に巻き込まれる島耕作。大町久美子との恋愛は?にくめない高橋克典さんのキャラが何とも言えずよかったです。
ユルアニ? 1 [DVD]
前後に放送しているカイジのついでに見ました。
どの作品も初めに見るまで作品名すら知りませんでした(島耕作は除く)。
内容は、一言で言うとどの作品も「面白い人には面白いだろうが、つまらない人には徹底的につまらなく感じる」ものだろうと思います。
蛙男系の作品(フロッグマンショーとか)が面白く感じる人にはおすすめです。
気にするな (新潮新書)
漫画「課長 島耕作」で有名な弘兼憲史の新書。
弘兼憲史の作品は「課長 島耕作」をはじめ、一切読んだことはない。
「気にするな」はタイトルこそ助言的なニュアンスが伝わってくるが、中身は、主に弘兼憲史がいかにして漫画とつながり、どんな仕事をしてきたか、どのように仕事をしてきたか、について書かれており、説教臭い感じはしなかった。
弘兼憲史は、漫画家になる前に松下電器産業に入社し、デザインや宣伝の仕事をしていたらしいが、そこでの企業経験が漫画に生きている、という。
嫌な上司がいても、冷静にどういう時に怒ってどなりちらすか、またその時に見せるクセなどを観察していた、などというエピソードもあった。
売れる漫画家というのは、楽しむことにかけてはずば抜けた才能があるのではないか。
ささいなことでも面白がり、それをさらに面白いように加工するのが漫画家の仕事なのかもしれない。
『気にするな』で、なるほどなと思ったのは、同じぐらいの実力の漫画家が2人いて、1人は人付き合いが得意でなく、もう1人が飲みに誘われたら喜んで付いていくようなタイプだったら、編集者はたいてい後者の漫画家に仕事を回すということだ。
能力があっても人付き合いが苦手な人は、確かにそういう面では損をしている。
それでも、弘兼憲史は編集者におもねるということはなく、おかしいと思うことは聞き流すか、議論をして正しいと思う自分なりのやり方を通してきたようだ。
編集者の中には自分を常識人とみなし、上から見下ろすようにものを言う人がいるけど、実は決して常識人なんかじゃないことに気づいていない人がいる、というようなことが書かれていた。
以前、漫画ではないが、出版社の面接を受けた時に、「どういう人が編集者に向いていますか?」と編集者に訊いたら、「常識のある人」と言われたことがある。
「自分が常識人」と標榜する人間に、良い印象を受けた経験は無に等しい。
自ら「常識人です。」って言うことは、「自分はつまらない人間です。」と言っているようなものだ。
「自分は非常識な人間です。」って言う方がよほどましじゃないかと思う。
黄昏流星群 42 (ビッグ コミックス)
短篇、読み切りのこのシリーズを毎回楽しく読ませて貰ってゐます。人と人の出会ひの妙、男と女の立つ人生の局面の違ひ、知らなかった時代の側面等、様々に学ばせていただいてゐます。今回掲載の三篇は、どれもどこか人生の閉塞感を感じてゐる主人公の人生が、ある切っ掛けで大いに動き、展開して行きます。第一話は、あるこだはりからの脱皮が潤ひへと。第二話は、淡い出会ひの甘酸っぱさが。そして、第三話は意外なハッビーエンドの展開がいいです。一人一人の人生のドラマって面白い!!