あの頃映画 「薄化粧」 [DVD]
緒形拳さんにとっては、「鬼畜」と「復讐するは我にあり」を合わせた集大成のような役柄で、それだけ凄みもあります。この映画の緒形さんは、見返りの無い殺人を、後先考えずに繰り返し、脱獄した後は、ただひたすら地面を這うように生活します。素の善人に戻ったような仕草が、リアルで怖いです。
公開されたのは1985年。今振り返れば、あのバブル前夜の浮かれていた時代に、こんな「貧乏臭い」映画が作られたこと自体が健全でした。浅野温子とか松本伊代とか、当時旬だった若手女優、アイドルは出ていますが、中身は本格的。一時代前の、日本の「地方の貧しさ」が、画面からムンムンただよってきます。
リアルと言えば、奥さんを殺す場面。ヒステリーを起こした奥さん(浅利香津代さん適役)に、大切にしているラジオを斧で壊されて(ここで、壊れたラジオが途切れ途切れの大音響を発します)立腹し、取り上げた斧で奥さんの頭をポンと叩きます。奥さんの頭から血がタラタラ流れ、痙攣して死ぬまで、ワンショット(あくまで記憶)。衝動的というか、ただの弾みというか、ドラマのクライマックスにすらなっていないという意味で、これまで見た中でも、最もすごい殺人シーンでした。
それと小林稔持さん、同年公開「さびしんぼう」以降は、唸るようなお声の優しいオジサンになってしまいましたが、この映画では、今となっては貴重な、元気なお姿を拝見できます。
しかし、DVDのパッケージ、何とかなりませんか?投げやりと言うかなんと言うか。公開当時の宣伝も、なんだかピント外れだったような記憶が…。もう少し、カッコつけてくださいな。せっかくのいい映画なんですから。
松本伊代 BOX [DVD]
老いも若きも知っている、「伊代ちゃん」こと、松本伊代さんのボックスです。
A面B面が交互に聴けます。個人的には分けて欲しかった。第一線で活躍していた方なので、熱烈なファンじゃない人も買うことでしょう?(僕もそうです)。ヒット曲が立て続けに聴けたほうが良いんじゃないかな?
あと、DISK4もっと収録して欲しいぞ。初回特典もついてるけど、それより、DVDがお粗末だぞ。メニュー画面くらい作って欲しいですね。
CDもDVDもマスターテープの状態により省かれたものがあったり、音声が変だったりするのですが、ならば、違う企画で違うものを収録して欲しかったです...(予算や時間の関係もあると思いますが)。
いろんなアイドルのボックスが出ていて、なかでも伊代ちゃん好きで期待していたのですが、値段が高いわりに今ひとつの内容に星三つです。
筒美京平さんや林哲司さん、尾崎亜美さんのコメントが載っているブックレットはいいですね。でももっと関わっていた当時のことを色々と聴き出し、載せてほしかったですね。
現在伊代さんはタレント活動が中心であるので、ベスト盤を出してくれるだけでも、ありがたいのですけどね。
ゴールデン☆ベスト 松本伊代
ジャケットが当時物でいい感じ!でも売れた順番に並べてもね、代わり映えないんでは?(特に伊代ちゃんはデビューした直後の印象が強く)前のシングルコレクションが一番聴き答えあるんじゃないかな・・・「すてきなジェラシー」をカットして「月下美人」を収録すればね!アルバムコレクションは微妙だな・・SugarRainだけかな・・・