天使はブルースを歌う―横浜アウトサイド・ストーリー
ゴールデン・カップスとの出会いを通じて見えてくる60〜70年代のGSに沸いていた横浜と、そこに集う人々の姿。そして作者はメンバーの一人であるエディ藩との交流から、横浜という街が負った悲しい歴史を知る事になる・・・。
GS好きの人よりは横浜という街に興味や思い入れのある人にお勧めです。
おしえてアイドル ポリドール・リクエスト
80年代B級アイドル歌手の曲を中心に収録されてて満足な一枚です。
木元ゆうこ「チェリーガーデン」紘川淳「失恋ライブラリー」この辺が個人的には好きです。
何故かプロレスラーのデビル雅美の曲が収録されてます。
サンダカン八番娼館 望郷 [DVD]
’74年に公開されたこの作品は、翌年だったと記憶しますが、米国アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされました。今では、海外の映画賞にノミネートされればマスコミは大騒ぎしますが、あの頃はそれほどでもありませんでしたので、知らない人が多いようです。
また、ベルリン映画祭では、田中絹代さんが、この作品で主演女優賞を獲得しています。
この事実が示すように、この作品の白眉は何と言っても田中絹代さんの演技です。彼女の芝居を見るだけでも、この作品を見る価値があるというものです。
横浜の時を旅する (ホテルニューグランドの魔法)
近代文化の扉を開いた横浜の知られざる顔が、分かりやすく書かれていると思います。
ホテルニューグランドは戦前、戦後と波乱万丈の次期を静かに見つめて今に至っていると思います。
関東大震災や過去の大戦で壊滅状態に陥った横浜が、再び息を吹き返し、近代日本と異文化の香りを失わず街はいまでも魅力に溢れ、行き交う人たちの心に様々な模様を刻み続けている、そんな思いにさせる一冊でした。
港町ヨコハマ 異人館の秘密
夕暮れに染まる港町横浜・・・大震災直前の明治38年頃の繁華街には、和洋様々な服装の人々が行き交う・・・丁寧に書かれたイラストの表紙が素晴らしいです。
始まりは・・・女学生が人力車に客を乗せて横浜の豪 華ホテルにやってくる。かぐわしい香水に惹かれて見上げると・・・2階のベランダからドレスを着た女性が身を投げようとしていた!インド人のドアマンの制 止を振り、ロビーを駆け抜けた女学生は、さらに2階目指して駆け上がり!・・・と、冒頭からすぐに引き込まれました。ホテルのイケメンシェフ、女学校の白人女教師、混血の美人女学生、お金持ちのオジサマ、オバサマ・・・と登場人物も多才で楽しめます。
中々上手いな〜!(笑)
全 体にテンポが良いのですが、躾けに厳しいお嬢様学校の様子や、女学生たちの日常は丁寧に描かれており、主人公や友人の間のやりとりや、「事件」を巡る関係 者の描き方も女性作家らしいもので好感が持てます。ただ、お話の核心部分、「事件の真相」の部分に関してはかなり複雑な事情になってい て、叙情的な結末を目指した結果と思われますが、正直言ってちょっともたれる面もあるかな?
文明開花の横浜らしい活 気とエキゾチックでお洒落な雰囲気も上手く表現されており、若い女の子が主人公の、ソフトタッチのミステリーと言えますね。