夢の守り人 (新潮文庫)
今度は、呪術師である老女トロガイの物語だ。子を失った母親たちの物語でもある。
悲しみというのは、やっかいな側面を持っている。事な人を失ったのに十分に悲しんでいないと他者が判断したときは、糾弾されてしまうこともあるだろう。だから、悲しんでいる人自身も、悲しみを手放す時機を見誤るときがある。
悲しみや苦み、怒りや憎しみがやわらぎ、薄れても、大事だった人を忘れることではなく、その人を心の中から失うことではないのに。
トロガイでさえ若い頃はあり、若いときの決定的な喪失が、彼女の人生の道筋を大きく変えた。
もしも、自分のあきらめてもあきらめきれない、しかし叶うことはない夢を、見ることができるとしたら、その夢から覚めることができるだろうか。
そんな心の迷いを描いたこの作品、やっぱり、子ども向けにしてはテーマがやけに深い気がするのだが。
幻想的で美しい情景と音楽に釣り込まれて、この巻も一気読みしてしまった。
NEXUS 4 / SHINE
二曲とも聞いた瞬間ビビっときました。この二曲はスゴイ!!いまだに進化し続けています、このバンドは。マンネリ化することもなく幅広い曲調を持ち続けている。海外でも成功しているだけあります。発売日が楽しみ!!
精霊の守り人 音楽篇 2
同アニメ・サントラの第2集。ジャケットもバルサではなくもう一人の主人公、チャグム王子。
音楽篇2、とはなっているが必ずしもドラマの後半にかかる音楽集ではない。
むしろ前半にかかっていたトラックも多い。
ドラマ自体も中盤から後半にかけて大きく動き出すので、見逃せない。
前半で活躍した狩人たちも動き出す。
基本は前作と同じ。
ただ、こちらには必殺のトラック「定道のバルサ」がある。
バルサが永遠に抱える、恐れ、悲しみ、不安、といったものを
昇華した素晴らしいメロディ。それを支える、骨太のドラムス。
またそういった膨らみのある音響効果を狙ったミキシング。
全て完璧な川井憲次節、絶好調。
全ての存在がキー・パーソンとも思えるほどの魅力的な登場人物たちの
それぞれのテーマに聞こえるトラックもいくつかある。
願わくば、誰の身にも死が訪れないようにと思うが・・・。
全てが終わり、バルサが再び旅立つ。
その時の美しいテーマが、本作のもう一つの魅力。
素晴らしいアルバムなので前作ともども所有しているが、
そもそも2枚組にしていっぺんにリリース出来なかったのだろうか?
という素朴な疑問も。
かつてのアニメのサントラが多くそうだったし、ここのところ、
そういうパターンが目立って、財布が悲鳴をあげる。
最近の川井氏に限っても「ひぐらし」シリーズや「ガンダム00」シリーズがそう。
川井マニアックス達が必ずしも●●とは限らないのだが。
精霊の守り人 音楽篇 1
購入する動機となった曲は、“英雄、立つ”です。精霊の守り人のHPにアクセスすると流れてくるアノ曲です。
この曲欲しい! と思ったのはいいけれど、サントラに収録されているかが分からず、しばらく悩みましたが買って聴いてみることにしました。収録されていて嬉しかったです。
このサントラでいうと私は静かな曲よりも、戦闘シーンで使われている曲など躍動感のある曲(7狩る!17逃げろ!24バルサ走る)の方が好きです。
闇の守り人 (新潮文庫)
最近文庫化されたとのことで読み始めた守り人シリーズ。
1作目が面白かったので迷わず手に取った本書でしたが、
期待以上のおもしろさを味わうことができ、1作目よりおもしろかった、
という印象を受けました。
主人公バルサの過去の生い立ちを元に構成されたストーリーと
そこに絡まってくる故郷での新たなる動き・・・
緻密に構成された話の展開と完成された世界観に上橋先生の筆力の
テンポのよさが相まって、こちらもあっという間に読了してしまいました。
1作目でチャグムを守る中でバルサが感じた思いが、
2作目でしっかりと見つめ直されます。
1作目を読んでおもしろいと感じた方は絶対に読んだ方がいい、という感じです。