ないしょのハーフムーン (2) (小学館文庫)
主人公有羽の初主演映画は大成功!次回作のオファ-などが舞い込むが、有羽は慎一の側にいたいが為に引退宣言。でもマスコミに秘密にしている手前、慎一とも結局離れることに・・・。演じることが心から好きな有羽は舞台に戻ることを決意!ただまた問題は起きて・・・・・・。
有羽と慎一、互いに好きなのになかなかうまくいかなくてもどかしいです。
でもこれだけ主人公の相手役の出番が少ないのも珍しいかも。逆に新鮮だし、主人公の一途さが引き立ちますね。慎一がいない分、有羽に惚れている二人が有羽の側にいてくれて無条件に守ってくれるなんてうらやましい限りです・笑。この二人がどうして有羽をそんなにしてまで守ろうとするのか、理由が分かるだけに余計に切ないです。それだけ有羽は魅力的ですからね!
見返りを求めない恋ほど悲しいものってないです。人って求めていないと言ったって結局は知らずのうちに求めてたりするものですから。この周囲の二人は有羽が慎一のことを好きなことも、全て知っていてそれでも有羽を守ろうとするから凄いですね。ここまで人を好きになれることって少ないと思います。そんな風に人を好きになってみたいと思ってしまう作品です。
ソード・ワールド2.0リプレイ from USA(1) 蛮族英雄─バルバロスヒーロー─
著者はグループSNE期待の大型新人、ベーテ・有理・黒崎さん!
日本人とアメリカ人のハーフ、声優さんにして、TRPGの本場アメリカからやってきた最終兵器!それがベーテさんです!
蛮族英雄─バルバロスヒーローは、発売前から主催しているオンセの雑談チャットなどでも
「from USAとは何だろう?」
など話題沸騰だった期待の新リプレイシリーズです。
ベーテさんは、SNEさんの新人さんです。マージナルライダーのサイト上のリプレイなどで、お名前拝見していたのですが、前述したとおり異色の経歴をお持ちの方です。
リプレイ中でもベーテさんの経歴や、主観を生かした描写を楽しめます
セッションの裏側の様子から、アメリカのTRPG事情までわかります!
企画の立ち上げや、セッション裏の様子などが描かれるリプレイはたまにありますが、そこにベーテさん視点が入るとこんなに面白くなるのかと驚く作品です。
個人的に「ミスター北沢」からツボでした(笑)
キャラに関する挿絵だと思ったら、ベーテさん自身のイラストだったり。
ベーテさんだけが描かれた挿絵とかあるんですよ!こんなのみたことないです。
アメリカにはそもそもリプレイという文化がないそうなのです。
兄弟や近所の人がTRPGについては教えてくれる夢のような環境。
そういえばETでもTRPG遊んでいる描写がありましたね。
そういう文化の差は、キャラメイクやシナリオ内でも描かれているのですが、そういうジェネレーションギャップを感じながらも、PLの方たちと楽しそうにセッションをしようと奮闘されている様子がとても好印象。
ベーテさんと一緒にTRPGを遊ぶと、とても楽しそうだなと思わせてくれる作品です。
内容はあくまでもきちんとしたものです。
何よりTRPGは楽しいものだと伝わるところが素敵です。
こちらのリプレイシリーズは、先日発売されたバルバロステイルズに収録された蛮族PCとしてドレイクPCが参加しています。
穢れなどのペナももちろんですが、設定やロールも難しいドレイクPCですが、こちらのリプレイでは違和感なく冒険者として描かれています。
もちろんファーストコンタクト時のPC間での葛藤や友情なども、きちんと描かれています。
一般技能の使い方や選択もいい感じ。NPCの宿の店主など一般技能とGMさんの知識が活かされた素敵キャラでした。
PCの設定も経歴表活かした個性の強いものもあるのですが、それが進行の邪魔にならないというか、キャラの掛け合いに生かされていて、こういう遊び方してみたいなと思わせてくれる作品です。
とても面白く実際のセッションにも参考になるリプレイシリーズなのです。
ないしょのハーフムーン (1) (小学館文庫)
主人公の有羽と血縁関係のない兄の慎一。人気俳優である慎一との共演映画の主役に抜擢されたからさぁ大変!なんたって慎一とは恋人役。勿論マスコミにばれるわけにもいかないし・・・。恋人を演じることで自分の本当の気持ちに気付いてしまう二人。でもそう簡単にはうまくいかないのが赤石先生の作品。
とにかく有羽が魅力的!赤石先生の作品の中でもベスト3には入るのではないでしょうか。中性的な魅力で周囲を魅了する有羽は、演技も天才的だし言う事なし。敵・味方などの枠組みに捕らわれない奔放さは全作品の主人公に共通していえると思いますが、有羽は抜きん出ているはず。(舞台が芸能界のせいもあるかもしれないですが。)そんな魅力をもった有羽だからこそ、無条件に色んな人に愛されていても納得してしまいます。