ゲキツー!!―子宮内膜症との闘いの日々
医療現場に向けて発信するのでなく、生身の女性の気持ち、内膜症の患者の気持ちがよく書けている本だと心底思いました。
かくいう私も、内膜症という病気と闘ってきた患者のひとりです。
痛みの凄かった毎日、この本の存在を知りましたが、自分と同じ病気の人の本だという親近感があるものの、完治のない病気に対して先に行く不安が先だってO.Pが終わるまで手にすることができませんでした。
自分の痛みと決着がついた今、やっと落ち着いてこの本に目を通すことができるようになりました。
ちょうど、再デビューのキャンペーンをしていたせいか、どの本屋に行っても売り切れ、在庫なしという時期で、いかにこの病気に対しての関心が高いのか、はたまた私のように内膜症に苦しんできた人たちが多く手にしているのかと想像しました。
私の本は第3刷で平松さんが苦しみぬいている間、また別の生き方をしている私を重ねたりと涙が出てくるような一冊でした。
女性ばかりでなく、男性にもぜひ読んで欲しい本です。
女の人は命がけで出産するんだということとだけでもわかって欲しいです。
部屋とYシャツと「私の真実」 (集英社be文庫)
著者の前作、「ゲキツー!!」では、子宮内膜症との闘いがクローズアップされていましたが、その後さらに乳ガンや告知による精神的な痛みがあったにもかかわらず、この本には、私も一緒に悩んでるからねと言う励ましを感じます。芸能人ではなく、一女性として、母として、そして人間として、いっぱい
くじけて、それにどう対処したのかが、書かれています。医学書だけでは知り
得ない、身近な工夫、解決策など、とても200ページ強では書ききれなかった彼女の試行錯誤が凝縮されています。今現在、婦人病にかかっていない人も、明日にはわからないこと。コーヒー+ケーキを1度だけがまんしても、手元に是非、置いて欲しい本です!!
Veriacion-CHAPTER1- [VHS]
本作がリリースされた1993年4月は同月にベストアルバム「Single is Best」、前月にはシングル「Single is Best!?」を発表したばかりで、まさに平松台風が観測史上最大の猛威をふるっていた時期であります。この僅か三曲入りのPVは平松全盛期の極々一部を切り取ったものとはいえ、入門用としても平松中毒患者用としても十二分に満足できる仕上がりとなっています。
前年にリリースされた代表作「部屋とYシャツと私」において、平松ワールドは音として既に確固たる地位を築き上げていましたが、今度は他のヒットシングルも加えて映像として楽しむことができる。購入前のワクワクドキドキ感はこれまた平松史上最大級。
そして発売日と同時にこれをゲットし、早速再生してみました。さて冒頭は、、、うほっ、これは予想外の三頭身平松キャラ。ファンならこれだけで激しく萌えてしまいます。次に飛び込んで来た映像は、「留守電を無言で切り、公衆電話を出て雨に打たれる女」。ついにキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!! 見た瞬間にそれと分かる「もう笑うしかない」の歌詞の一部を映像化したシーン!まだ曲が始まっていないのに、フェードインだけでテンションが上がりまくり!
そしてやっと一曲目、お馴染みの乾いたイントロで始まる「もう笑うしかない」。いやもう、初っ端からド肝を抜かれました。平松の曲はどちらかと言うと「毒」を含んだ難解な歌詞が多いものですが、このヒットシングルは歌詞も映像もストレートに分かりやすい!!「公私の狭間で揺れ動く女性が雨に打たれてヤケクソになっている」という、もともと極めて具象的な歌詞をそっくりそのまんま、ほぼ無添加の状態で映像に表したものです。見ているだけで顔がニヤケっ放しになってしまいます。
挿入の「頚動脈」なアニメも、適度なアクセントになってこれまた良い。このアニメにおける平松のダメダメっぷりは、スキージャンプでお馴染み原田選手に通じるものがあります。肝心なところで大失敗をやらかしても、あの顔を見たら全てが許せるような、いわゆる「いい奴」なキャラですねえ。つーか滅茶苦茶可愛いんですがw
そして二曲目は「Single is Best!?」。このヒットシングルは、大部分の具体的な詩と一部の抽象的な詩から構成されるという、平松ワールドにおいては平均的な難易度。さて、映像ではそれがどう表現されているか……と期待前の予想は良い意味で大幅に裏切られる結果となりました。いやあもう参った!降参です!!平松愛理さん、あんた神!!!この曲の抽象的なテーマは「シンデレラ」にあるのですが、普通は12時前の方を演じるでしょうが。ところが平松さんは、「12時を過ぎたシンデレラ」を選択したんですね。しかもこれがまた、妙にナチュラルで似合っている!!石立鉄夫氏の「薄汚ねえシンデレラ!!」とは180度、いや540度、いやいや900度ほどベクトルが完全に真逆。まさに、「もう笑うしかない」を超越した大爆笑ものの仕上がりとなっています。
正直言って平松中毒患者にとってはこの二曲だけで十分にお腹いっぱいなのですが、いえいえ、やはりこれを避けるわけにはいかないでしょう。三曲目の「部屋とYシャツと私」。平松が世に送り出した数々の名曲の中で、最も難解且つ代表作に相応しいこの曲。果たして平松はどのような解答を提示してくれるのか…!?と、音で得られなかった結論を映像に追い求めてみたのですが、やっぱこればっかりは無理です。と言うより、ますます分からなくなりました。映像だけ見ていたら、主役がYシャツから猫にとって代わったかのような錯覚さえ感じてしまいますが、「部屋とYシャツと私」に限ってはそれでいいのです。もともと十人十色、千差万別の解釈が存在していたのです。唯一無二の解答を得てそこで完結するのではなく、分かり難いからこそ分かるまで何度も視聴したくなる。それこそが平松ワールドの真骨頂なのですから。