この世は二人組ではできあがらない
ワタシにとって初めてのナオコーラ体験の一冊です。
肌にまとわりつく空気とか、日差しとか、皮膚の感覚を精緻に表現するうまさは独特で、終始淡々とページをめくるうちにナオコーラ的世界にやみつきになります。
しかも、数ページごとにはっとするような(それでいてとても温度の低い)箴言がでてくるので気が抜けません。
あまたあるユニークな箴言のなかでひときわ印象が強かったのは
『まだ誰も見つけていない、新しい性別になりたい』
ということばでした。
子を孕むことのできる主人公の女性のなかの、硬質の感覚はまさに男性そのもので、「文学」という男性は彼女の子宮の中ではぐくまれているのでしょう。
たいへんな産みの苦しみを味わった(そしてこれからも味わう)であろう著者に敬意を表して☆いつつです。
ミラクル☆トレイン キャラクターソング Vol.1 六本木史(KENN)
まずノリのいい1曲目は、なんとなく懐かしいような
不思議な気持ちになりました。
歌声は、ちゃんとキャラの六本木が歌ってましたv
2曲目はよく知ってるあのメロディに合わせて
六本木クンが六本木を案内してくれます。
3曲目はボイスCDというかボイスなのですが
これがまた素敵で('∀`*)
自己紹介から始まって、一緒に電車に乗ってるような気分にさせてくれる
甘いボイスが続きます'
劇中のちょっとした疑問(席が空いてるのにつり革を勧めるとか)
についても答えてくれてますv
人のセックスを笑うな (河出文庫)
『セカチュー』が『ソクラテスの恋』(最初はそういう題だったらしい)だったら今ほど売れることはなかったかもしれない。
でも、内容は同じでしょ? と思うかもしれない。
それほど題名が作品に及ぼす影響は大きいのだろう。作中の数々の名言や名文句と同じくらいの力があるのだろう。作者は山崎ナオコーラ。前は山崎ロックというペンネームだったらしい。でも、作品は本当に正統派だと思う。
透明感のある風景、共感の湧く心理描写、魅力的で知り合いに欲しいとつい思ってしまう登場人物たち。100%の恋愛小説です。
ラストには、今どこにいるかもわからない昔の恋人のことを思い浮かべてしまうでしょう。
題名、ペンネーム、少しでも気になったら読むべきだと思います。損はしないはずです。
それはすでに作品に引き込まれているわけですから。