A World Of Pandemonium
聞いた後幸福感に満たされる、完成度の高い美しい音楽。
心が落ち着くのに、何故だかそわそわと動き出そうともする。
もう一度聴き返したら、ちょっと外にでも出て、何か始めようかなんて気持ちになる。
これはただの、ちょっと前に流行った「癒し系」な音楽ではない。
心地よいメロディーの裏には鋭いリフや畳み掛ける打ち込みが方頬上げているし、
優しく語りかける歌声で実は驚くほど厳しい世界を歌っている、なのに救われる気持ちになる。
透き通るような、なのにしっかりと存在感のあるヴォーカルのレベルの高さがより歌詞に説得力を持たせてくれる。
アコースティックギターを筆頭に、今までにない技法が溢れるほど詰め込まれている。
技術を見せ付ける、というよりも「こんなこともできるようになったんだよ!」と
満面の笑みで見せてくるような無邪気な程の詰め込み方で、
緻密に練り上げられたメロディーとのギャップが微笑ましい。
沢山の相反するものを、情報過多な位ちりばめて、日本に新たな音楽が生まれた。
「パンクが好き、テクノなんてありえない」
「邦楽なんてダサい、洋楽しか聴かない」
「ELLEGARDENが好きだから、HIATUSはちょっと…」
ジャンルや国に囚われるのは損。
どこの誰が作った、どんな音楽かなんてどうでもいい。
ひとつの愛すべき音楽に成り得るか。
判断基準はあなたの心だけで良い。