ソドムの映画市―あるいは、グレートハンティング的(反)批評闘争 (映画秘宝collection)
中原昌也は映画を通じて人間を考察する。逆に人間考察のために映画を観ていると言った方が良いかもしれない。観る映画がどのようなものであっても人間考察という目的を充足させる障害にはならない。
この本で取り上げられている映画のほとんどは多くの人々に評価されてはいないが、そこからインスパイアされる著者の考察はその切り口の鋭さと先見性において評価されるべきだと感じる。
鬼才ピエル・パオロ・パゾリーニ 3枚セットDVD ~生誕90年特別限定セット~
「アポロンの地獄」はイマジカ(パイオニアLDC)から初DVD化されたときのものを所有し、「豚小屋」はイマジカ盤をSPO盤に買い替え、「ソドムの市」はSPO盤(オリジナル全長版)を買って視聴したものの、そのあまりに呪われた内容ゆえに手放してしまいました。しかし、パゾリーニ映画祭で実行委員長を務めた大島渚監督の「難解な作品はまた見たくなる」のとおり、また見たいと思っていた矢先、いかにも妖しげなパッケージで、しかも単品販売せずにボックスの中の1本としてひっそりとカタログ化されていたのに飛びつき購入しました。画質については、SPO盤も良かったのですが、今回のもかなり良いほうだと思います。ただし、旧盤では無修正でバッチリ映っていた部分が、ほとんどボカシが入っています。無修正版でも局部などは作り物然としていてちょっと拍子抜けしましたが、ボカシでもまあしょうがないと思います。
「アポロンの地獄」と「豚小屋」は画質が大変素晴らしいです。特に「豚小屋」はシンメトリーの構図も美しいですが、画質がとてもキレイです。欲を言えば、音声がイタリア語だけなので、英語音声も入れてほしかったです。
ソドムの映画市―あるいは、グレートハンティング的(反)批評闘争 (映画秘宝COLLECTION (2))
中原昌也氏が70年代のゴア系や胡散臭系の主にスプラッター映画についてあの独特の文体で語りつくす異色の映画エッセイです。非常に濃い内容ですが、氏のファンは必読です。
ソドム百二十日 (河出文庫)
ほとんど他人に薦める機会がない作品だと思うが、人間の性的な想像力の極北を見てみたい方 には、「悪徳の栄え」とセットでお薦めの作品である。これと比べれば、沼正三の作品などは かわいらしいものである。これは実は抄訳であるけど、もともとの原典も完結していないのは残念。