野獣死すべし 復讐のメカニック [DVD]
野獣と聞けば、一般的には「大藪春彦」や「松田優作」をあげる人が多いですが、人間の哀しみや宿命を内包して、また在り来たりな正義感やかっこよさを最大限に隠して、非情の男を演じている藤岡弘の伊達邦彦は最高です。原作の主人公の描写に最も近いのが、藤岡弘ではないでしょうか?最後は権力に負けたのではなく、復讐が終わってもどの道彼の生きる術は無かったのだと思います。解説書にも記載されてる通り、実銃を扱える唯一の俳優で、稀有な配役だと思います。見終わって暫くは哀愁と伊達邦彦に対する愛おしさがこみ上げてくる作品です。
野獣死すべし [DVD]
松田優作主演の方が知名度があるが、あれはまったくの原作を知るものからすれば別作品。単に名前だけ借りただけであり、名前を変えてもいいぐらいの作品だ
本作は若き日の仲代達矢が原作が発表されてまもないころ、日本映画の若き力を結集して作られた意欲作であり、その当時のパワーを感じたまさに野獣を感じる作品
原作の伊達邦彦の若いころのを仲代達矢が忠実に再現している。とくに決して心を人に許さない得たいの知れない暗い影を持つ雰囲気を仲代独特の目力が非常にマッチして、見るものに冷たい狂気を感じさせる。もし今リメイクするとしても、仲代以上の伊達邦彦を演じられる役者が日本に存在するのだろうか?
原作といくつか変更点があるが、大筋は再現してるので成功者としてアメリカへ旅立つ原作にそったエンディングとして再現されており、本来成功者であるはずの伊達が他の作品みたいに最後権力に屈するというありえない最後となった他作品とは違い、権力をあざ笑い完全犯罪の成功者として旅立つ姿は非常に爽快で気持ちがいい。
また音楽も非常に秀逸で、作品を美しく狂気に盛り上げている。モノクロ作品だが、それを超越するパワーがあるので、大藪春彦ファンの方は是非お勧めする。
ダイナー
湯気のでる巨大なハンバーガーの表紙に惹かれて購入しました。
一見すると幸せの象徴のようなハンバーガー、
この中には生の熱気と、死への恐怖心が凝縮されているのです。
殺し屋専用のダイナー(定食屋)に集まる人々の物語は、
生きる意味を本能的に提示しているようです。
なんとも言えない読後感。
ぜひ実際に読んでみてください。
蘇える金狼 [DVD]
いろんなレビューがあるので、補足として。
◎風吹をナンパしようとする松田のアプローチの仕方がレトロすぎてグッド
◎大金をゲットしてからの松田が家でもだえるシーンが言葉ないくらいにいい
◎千葉が軟派な役で出ているのがけっこう決まっている。しかもいいキャラなだけdにヒッチコックの『サイコ』効果がある。
◎松田が、悪党4人衆の目の前で啖呵切る場面、最高。
◎逆に言うと、悪党たちのダメ演技が最高。
ということで、原作より映像がよくなる典型として是非みましょう。
我が家の問題
普通の家庭の普通にありがちな、きわめて身近に起こりうる問題が題材です。
皆さんがおっしゃるように、心理描写も身近ゆえに感じる部分ですね。
何かで悩んでいらっしゃる方や、反対に平凡な生活を送られている方には
読んで共感を得るところがあると思います。
家族のありがたさ、前向きさを味わうためには良い作品なのでしょう。
ただ、サスペンス好きの私にはかなり物足りませんでした。