非女子図鑑 [DVD]
7人の女性、それぞれのガンバリや魅力はあるにせよ、最終話の仲里依沙「死ねない女」が監督、配役ともにすぐれ、一番良くし上がっていたように感じた。この一話を見ただけで、購入した価値があった、とも思えた。
足立梨花はまだまだ可愛いし、山崎真美、月船さららは美形だ。しかし誰より何よりインパクトがあったのは片桐はいりの演技だ。やはり舞台での年季だろうか。
「死ねない女」は是非見て欲しい。ジャージにハチマキ・バンド(?)の部屋着は、仲本人のアイディアだと言うが、実に話のシチュエーションにピッタリ。コニカ(?)のTVCM以来の、「ねじれ・ひょっとこ口」で「死体」を演じ、頑張っている、その女優魂にも注目だ。
「非女子」という「くくり」にムリを覚えるし、オムニバスと言うより「習作集」のような感じも否めないが、若手女優たちの輝きを詰め込んだ小箱のようなDVDだ。
わたしのマトカ (幻冬舎文庫)
かもめ食堂に付随するフィンランドの旅行エッセイかと思ったら、アジアへ行ったときのエッセイもところどころに散りばめられててページをめくるたびにニヤニヤしてしまいます。片桐さんの目の付け所というか、物の見方がオリジナルでよくある旅行エッセイとひと味違います。
写真やイラストが全くないのが寂しいかな・・・と思いますがその分想像する楽しみが増えます。
やはり旅には珍事件やトラブルがつきものみたいでフィンランドの、とある個人宅で起きた恐怖!の事件などは片桐さんには失礼かもしれませんが、そのときの片桐さんの状況を想像するとププッと笑ってしまいました。(すみません・・・)
表紙がシンプルでかわいいのも読む人の心を惹きつけてくれます。
かもめ食堂 [DVD]
出演者が織り成す雰囲気、BGM、インテリア、洋服、食、フィンランドの風景
そして俳優陣、全てが素敵で癒されます。
淡々とすすむ映画。その中に色んなことを考えさせられます。全く背景のわからない
登場人物たち。なぜフィンランドにいるのかもわからない。きっと深い傷をおっている
のかもしれない、重い過去を抱えているのかもしれないけれど、映画の中では誰も
お互いを深くは詮索しない。慰めたり綺麗事をならべたりしない、そっとしておいて
あげる優しさや思いやりに胸が熱くなりました。
みどりがサチエの作ったご飯を一口食べて涙したときも、何も聞かずさりげなく
ティシュを差し出すシーン。無関心を装ったミドリへの思いやりにジンときました。
マルック・ペルトラがサチエにコーヒーを淹れ、「コーヒーは人に淹れてもらった
ほうが美味しいんだよ。」ていう台詞があります。人に淹れてもらったコーヒーは
作り手の愛情を感じるから。思いやりのエッセンスがプラスされます。それは、
サチエが「おにぎり」を看板メニューにしている理由ともリンクします。
無関係なようで繋がりのある登場人物たち。みんな様々な形で愛や癒しをもたらして
くれます。ストレートに言葉や態度で表現しない優しさや思いやりにほっとします。
のんびり流れる空気。凛とした佇まいのサチエ、なぜかチャーミングなミドリ、
不思議なマサコ、かわいいフィンランド人の男の子トンミが最高の癒しをもたらして
くれます。傷をおったり、不安を抱えたり、重荷を背負ったりしている人、辛い経験を
した人は、心が軽くなり、前向きになれる映画です。真の優しさを感じます。
グアテマラの弟 (幻冬舎文庫)
ああ、こんな感じ方ステキだなぁあ。
と、思いつつ、さり気ない感想の旅日記を
嫌味なく読めました。
子どもの頃、姉弟の関係が気まづくなっても
年をとったらお互いに、間に流れた時間を経て
理解しあえることもありますよね!
やっぱり・・・
血がつながっているってスゴイなぁ!
とか、
些細な感想が”はいりワールド”のすんなりと
入り込める凄さだと思います。
本当に、読み終わったら「 いいかんぢ! 」
という爽やかさが残りました。
もぎりよ今夜も有難う
映画も好き、演劇も好き、そして“ハコ物”と集う人々が好き。俳優を職業とするはいりさんには、好きだけでは済まない大変さあるはずだが、
本書はどこか気楽で軽快なアマチュア的ノリがある。そして、「もぎり」を通して“映画館”を語る彼女の言葉は、とてもやさしい。
銀座文化時代を語る時のインドア感覚も、東京を出て知らない土地で“映画館”にまつわる驚きの発見をするアウトドア&出たとこ勝負的感覚も、
どちらもとてもおかしく、楽しませてくれる。「あとがき」、思わず笑ってから、しんみり和んだ気持ちで読み終えました。
装丁が良いのは当然ですね、なにせ“ハコ”は大事ですから・・。