CECIL McBEE 2012 Spring/Summer Collection (e-MOOK 宝島社ブランドムック)
レビュー遅くなりました。一目見て気に入ったので、購入しました。思ってた以上に可愛くてとても使いやすいです。いい買い物が出来てとても満足しています。これは本当におすすめです☆☆
ラプソディ・イン・ブルー [DVD]
まず始めに、この作品は坂田明らと過激なフリージャズを営んでいたYOUSUKE YAMASHITAを期待する人は見ないほうが良いです。エネルギーの塊をぶつけるかのような(肘打ちなどの)激しい演奏内容の時代をくぐり抜けて円熟期に入り、このライブでは管楽器の緻密なアレンジを用いた壮大なオーケストレーションと、これまで築いてきたフリージャズピアニストとしての演奏を見事に融合させています。特に最後の24分にも及ぶRhapsody in blueは圧巻です。随所にビッグバンドならではのオイシイアレンジと、熱いフリーパートをちりばめたガーシュインの名曲。
進化し続ける山下洋輔を見たい方にはぜひお勧めです。
ラヴ・イン・アス・オール(紙ジャケット仕様)
一曲目はセシルマクビーの美しいベースに導かれる曲。
ファラオがサックスを吹かず、ヴォーカルで参戦。
後半線はスローダウンしバラードを演奏します。
とても気持ちいいですよ。
二曲目はコルトレーン師にささげる愛。
おもいっきりフリーですね。時々でてくる美しい音色に感動させられます。
freejazzでコルトレーン師にささげる曲は多数あれど、
なかなか激しい演奏です。
他のコルトレーン賛歌の勧めは
アーチーシェップの絶句一曲44分。
ビューティフル・ラヴ
バラード傑作です。97年はスイングジャーナル誌の人気投票で、女性ジャズ・ヴォーカル部門1位に輝いていますが、今作は彼女が技術力以上の“掌握力”をもったシンガーだと知らしめた作品です。それは歌声が楽曲を制御する力であり、周囲の楽器を引き込む力であり、むしろ空気を支配する力といえるかもしれません。バラードというテクニック以上のものがみえる作風に特化した時の、Keiko Leeの凄みを堪能できます。
誰もが愛する曲「Beautiful Love」。よく哀愁と軽やかさが交差する演奏や、黄昏る歌い方でこのスタンダードは耳にしますが、tpとvo.だけで構成された彼女の演奏はもっと丁寧で、ひとこえ、ひとつの単音をしっとり愛撫した演奏をみせます。ゆっくり同曲のエッセンスを微分・凝縮してゆくように歌うのです。ウイスパーヴォイスというよりはもっと深く鎮静したヴォイスワークで、どこよりも優しくさらっとし、それでいて行間に佇む空気は深く、遠くまで続くような久遠の静けさを湛えています。湿度の高い歌声で実にディープな同曲を奏でているのでした。そこにアート・ファーマーのtpがそっと影をのばしてきます。流石です。その音色は中庸の美といいますか、歌声と絶妙に同調し背景を映し出しました。お互いの距離感は抜群ですね。
また彼女の掌握力が映える曲は「My Romance」でしょう。そのしなやかな節回しが曲のエレガントさを最高に輝かせます。弾む心を内に秘めて静かに奏でるので、歌の中に幾重もの味わいがありvo.の妙が楽しめますよ。
更に注目は「The Summer Knows」。この曲のパフォーマンスで有名なアート・ファーマーがリードしバトンを渡すのですから。4分間彼が主題を奏でた後、ようやく彼女が入ります。哀愁を奏でるに最高にブルージィな音色が彼女の歌力の凄みでもあります。先達らに負けぬ素晴らしい演奏です。
アート・ファーマー(tp)、ケニー・バロン(p)、セシル・マクビー(b)、グラディ・テイト(ds)、吉田次郎(g)、ミノ・シネル(per)
ザ・ムーントレイン
本作の主役であるWoody Shawは決してメジャーと言いきれるほどの知名度は持っていない。しかし、私はこのCDを聴いて、彼に対する尊敬の念さえ覚えた。タイトルにもなっている、一曲目のThe Moontraneが彼の音楽性の高さを非常によく表している。通常、コンボなど小編成のバンドであると、どうしても個々の技量やアドリブが中心となってしまう場合が多いが、この曲はテーマが非常にしっかりしており、世界観がある。そのため、とても厚いアンサンブルが出来ている。また、四曲目のKatrina Ballerinaも同様にテーマがしっかりしており、強烈な印象を受けた。この二曲だけのためにも十二分に買う価値はあると思う。