砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない―A Lollypop or A Bullet
確かに最初の数ページのあまりの砕け具合に、ラノベってどれもこんな感じなのか?と思った。けど、後半から一気に加速する。読むのを止められなかった。つまらない小説なら、読むのも苦痛になる。自分がどれほど物を知っているか、知識の無駄なお披露目としてやたら文章を難しくする作品には嫌悪感がする。この小説は、その点とても読みやすかった。いちいち無駄にエゴに知識を垂れ流さなくてもこんなに素晴らしい物語は本当に才能のある作家さんには書けるのだと改めて感じた。 思春期に感じた、無力感や明日への恐怖や未来に対してのあるのかないのかわからない僅かな希望にもすがる気持ちや、そんな若い青い感情がよみがえった。そんな時代もあったなと、苦しくてもがいて、何も掴めなかった不器用なあの頃より、私はずいぶん大人になったんだなと涙がこぼれた。 確かにこれはハッピーエンドではないかもしれないけれど、救いがないわけでもない。文庫本にリニューアルされ、気になってはいるけれどラノベだからと読むのに今ひとつ抵抗なんかがある人は、読んで後悔はしないと思います…。
もっちり米粉パン―おうちでかんたん! (ぶんか社カラー文庫)
内容はとっても良いのに本のサイズが小さく、見開きで作りながら見るのはちょっと見づらい感じ。
もう少し大きなサイズでページが柔らかいといいな。
なので☆4つに。
現在は中古でしか購入できないようですが、とても良い本なので再版するか著者の新たな本が読みたいです。
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (富士見ミステリー文庫)
リアルなことにしか興味のない実弾主義の女の子山田なぎさと、自分を人魚だと言い張り砂糖菓子の弾丸ばかりぽんぽん撃つ転校生、海野藻屑。
二人の共通点は13歳で未成年で義務教育で、まだ自分で運命を切り開く力がないこと……
切なくてやりきれないお話でした。
なぎさの一人称が本当に13歳の女の子のそれのように感じられて、だからこそ率直で痛々しかった。
二人の未来は冒頭に記されているのですが、それでも読んでいるうちに「幸せになって」と願わずにはいられません。
ああもう、藻屑ちゃあん……
現実を隠すための彼女の荒唐無稽な嘘の一つ一つが胸をえぐっていきました。
ライトノベルはいえ、とってもいいお話です。
あと、なぎさのお兄ちゃんの友彦がとても格好よかったです。