ハワイ・マレー沖海戦 [DVD]
「戦意高揚映画」と言ってしまえばそれまでだが、真面目に任務に取り組む青年たちの
姿がほほえましく、また現代っ子俳優と違って、当時の俳優がその生き様をきちんと
演じている。
もちろんある程度、海軍の協力があったのだが、撮影や小道具なども嘘っぽい点がなく、
安心して観ていられるし、何よりも帰省先の家族との場面など、きちんとしたドラマが
展開するのが良い。
それにしても素晴らしいのは、真珠湾攻撃の場面。さすがに実際の真珠湾でロケをし、
撮影費用もふんだんに使った『トラトラトラ!』にはかなわないが、真珠湾が「敵地」で
ロケさえ絶対に許されない時代だったことなど忘れてしまうほどの出来映えだった。
それにしてもこの映画が公開された1942年12月(真珠湾攻撃の一周年記念)の
半年前にはミッドウェー海戦の惨敗があり、公開時にはガダルカナル島がほとんど
米国の手に渡ろうとしていた(そして多くの日本軍将兵が飢えていた)ことを思うと、
複雑な思いもする。