猛き箱舟(上) (集英社文庫)
週間プレイボーイに連載中(約25年前)から目をつけていて、
単行本が出て、すぐに買い求めた。
だから、初読は、20年以上前になる。
それから何度読み返したことだろう。
冒険小説とは何か、ビルドゥングスロマンとは何かを私に叩き込んでくれた小説である。
この作品以降、作者自身の手になるものを含めさまざまな冒険小説が世に出たが、
この作品を上回る作品にはお目にかかっていない。
よく、無人島に行くなら、何を持っていくかという問いがあるが、
私ならこの作品を持っていく。
砂のクロニクル〈上〉 (新潮文庫)
色々な意味で面白い。ハードボイルドな味わいもあり、心に迫る美しい描写・活写も多い。大袈裟に言えば、叙情的また叙事的な美しさというところか。登場人物の個性も魅力的。ただし、著者のいくつかの作品の特徴ではあるが、多少の歴史的背景を知っているとなお面白さが増すかも。歴史小説的なものもあるのでしょうね。これを勧めてくれた友人は少々マニアックな部分(銃などの武器関係の描写)について話していた。いろんな部分で楽しめるのか?とにかく、読んでみてくださいな。上下巻で結構分厚いが、長さを感じさせない。読み終わったときには心地良い脱力感があるでしょう。