Lady Day: the Complete Billie Holiday on Columbia 1933-1944
ビリー・ホリデイの最初期の歌声、作品が聞ける。これらの歌の上手さ、甘さはたった今聞いていて充分楽しめる。古いレコードのコレクションからデジタライズされたものであるが、古い音源であることを感じさせない。
ビリー・ホリデイは奇妙な果実が有名だが、普通に可愛らしいjazzも歌っており、これがまた上手くて、これらがあっての奇妙な果実であることが分かる。アフリカ系アメリカ人の公民権運動の先駆的テーマを持つとされる奇妙な果実で、彼女の音楽性を語るのは気の毒であり、それはこのボックスセットを聞けば良く分かる。
スリリングにjazzを歌いこなす歌唱力はただただ感嘆するばかりで、jazzの歌の楽しみを堪能出来ること請け合いである。ただ歌声を楽しむ。そういう聞き方をしたい方にお勧めなセットである。
レディ・イン・サテン+4
ビリー・ホリデイ(Billie Holiday 1915年4月7日〜1959年7月17日)はアメリカ合衆国メリーランド州ボルティモア生まれの黒人女性ジャズ歌手。アルバムは亡くなる一年前の1958年2月の録音で晩年の最高傑作とされる名盤。声はしゃがれて若き日のホリデイはすでにない分、精神性の渾身の歌唱に圧倒される。編曲にレイ・エリス、ピアノにマル・ウォルドロン、ハンク・ジョーンズ、J.J.ジョンソンを初めとする管楽器、バックコーラスまで付けたオーケストラに最初びびったとされるレディ。しかし百戦錬磨の天才、一瞬にして呑みこみ、淡々とに人間愛を唄っていく。この録音に参加したメンバー全員もこの記念すべき瞬間を全身全霊でつむいでいく。かくして普通のオーケストラものとは一線を画す頭で聴く作品に仕上がった。
(青木高見)
奇妙な果実?ビリー・ホリデイ自伝 (晶文社クラシックス)
ビリーホリデーは昔から聞いていましたが、この本を読んだきっかけは、矢野沙織が読んで感銘したというのを知って
読んでみようと思いました。
なんと大橋巨泉さんが訳しているんですよね。結構面白いです。お勧めです。
奇妙な果実
ビリー・ホリデイ(Billie Holiday 1915年4月7日〜1959年7月17日)はアメリカ合衆国メリーランド州ボルティモア生まれの黒人女性ジャズ歌手。エラ・フィッツジェラルド、サラ・ヴォーンと並ぶ女性ジャズ・ヴォーカリスト御三家の一人。アルバムは1939年から44年の録音でビリー・ホリデイ魂の名唱とされる永遠の逸品。タイトルの「奇妙な果実」 は木に首を吊った黒人の事、アルバム全体に流れる人種差別や過酷な生活環境など黒人の叫びが表現されている。このアルバムを所持する事で黒人のジャズを俯瞰しなおす意味でも重要と考える。またジャズ・ヴォーカルの愛好としても傑出しており古典の名にふさわしい。ビリー・ホリデイの場合、バックのミュージシャンの演奏がすばらしく、当アルバムもビック・ディッケンソンなど30年40年スタイルに艶を感じる。
(青木高見)
ビリー・ホリデイの真実 [DVD]
ビリーホリデイの唄っている姿を見てみたい、そんな軽い気持ちで購入した事を後悔させられた。カーメン・マクレエをメインに「レディ・デイ」を知る多くのジャズ・プレイヤーが彼女を語るドキュメンタリー。ベッシー・スミスの姿も必見。多くの人がビリーの自伝を読んでいると思うけど、この作品を観たらどれが真実か、なんてどうでもいいって思えてくる。「奇妙な果実」が圧巻。唄っている姿が収められている映像は少なめだけど、全編を通して唄が流れている。自伝を読んだ事のある人には特におすすめしたい。