限りなき戦い
1983年このアルバムのオリジナルバージョンが発売された(この頃まだ生まれてない人*までとばそう)。この頃同時にエイジアのALFAもリリースされた。この年はマイケルジャクソンのスリラーからカットされた曲がチャートを席捲し、ポリスがシンクロニシティでひとまず頂点に上り詰めた年でもあった。当時を知る人は洋楽ヒットがより大きなポジションを占拠していったあのころを思い出すに違いない。そうヴァンヘイレンが1984を出す前の年だ。*ラジオではロック・マイ・ナイツ・アウェイ、キャプテン・ネモの2曲が紹介されただけで(当時はエアチェックといってラジオの曲を録音して楽しむのが最も手軽な選択肢だった)放送上の取り決めによるものか新アルバムは全曲放送されないのが常だった。2800円という値段は学生には高価すぎ、全曲聴きたければレンタルレコードを録音しなければならなかった。1984年なぜかMSGのニューアルバムとしてこのアルバムが再び紹介された。それが今のリミックスバージョンなのだがロック・マイ・ナイツ・アウェイ、キャプテン・ネモしか知らない私は前年聴いたのはいったい何だったのか気になっていた。1998年頃B0000073MAを購入してアメリカ進出を計画してこのアルバムはリミックスされ、事務所の意向で新メンバーが加入して新たに84年に本邦でリリースされた事情を知った。商業的成功を得るためにリミックスされたと知ると当然オリジナルの音が懐かしいものだ。昨年に別件でアナログ盤再生の環境を復活させたためいまさらながらオリジナルLP入手に奔走するならネットオークションだ。しかしリミックスとオリジナルをどのように見分ければよい?それにオリジナルは高価なのでは?いやしかし私は2枚オリジナルを持っているが落札価格は300円と700円だった。
それではこのレビューの眼目である。
帯にリミックスとか来日記念とか書いてある。それはリミックス。
裏ジャケットにメンバーの名前が印刷されているがそれが5人か6人か、
デレクセントホルムズは一番下でそれがあるかないか。
以上を手がかりに探せばすぐに手に入れられるでしょう。
ビーコウ―アパルトヘイトとの限りなき闘い〈上〉 (同時代ライブラリー)
反アパルトヘイト運動の犠牲者、スティーブン・ビーコウについて書かれた一冊。
この政策の真っ最中にこの本と出合い、こんな惨いこと行なう国家があるなんて!
と、10代の多感な時期に怒りと涙がこみ上げたのを記憶しています。
アパルトヘイト撤廃後、なぜかこの本の下巻が刊行されていません。
一度出版社に問い合わせをしたのですが、今の所、予定はないとのこと。
即答でしたので、他にも問い合わせが多いような雰囲気があり、
出版できないのには何か、政治的な動きがあるような気がしてなりません。
アパルトヘイト自体は撤廃されたけど、まだまだ多くの問題を抱えていると
思われる南アフリカの現状を考えるためにも、ぜひとも下巻の刊行に期待します。
限りなき戦い(紙ジャケット仕様)
MSGの名盤には"神"や"黙示録"を挙げる人が多いと思いますが、この"限りなき戦い"(邦題が他のアルバムに比べてダサい)も1曲1曲のクオリティの高さは他のアルバムにヒケをとるものではありません。
賛否両論あったアンディ・ナイ作曲の"ROCK MY NIGHTS AWAY"もマイケルシェンカーというフィルターを通さなければ非常に優れたPOP ROCKナンバーであり、この曲のエンディングソロのエモーショナルかつメロディアスさを聴くと、マイケルのソロイストとしてのセンスはHRというジャンルを超越して素晴らしいことがわかります。
そして"INTO THE ARENA"と双璧を成すHRインストナンバーの名曲"CAPTAIN NEMO"!
この1曲を聴く為だけにこのアルバムを買っても無駄ではありません。
他にも"戦争の犬達""RED SKY""ROCK WILL NEVER DIE"などマイケル史上の名曲に並ぶに相応しい曲が目白押しです。
ゲイリーバーデンの歌も今聞けばそこまで酷いものではありません。
でも"魔性の女"のリミックスバージョンでデレクセントホルムズの歌と聞き比べてしまうとちょっと弱いな〜と思いますが、やっぱりマイケルのクライベイビーサウンドとのマッチングはいいんですよね。
マイケルシェンカー入門者の方には曲もPOPで聴きやすく、ギターも要所要所弾きまくっているのでお薦めの1枚です。
限りなき戦い (Built To Destroy)
やっと日本盤として完全版でのお目見えです。以前のCDではUSミックスを全曲収録し、
大幅にアレンジが違うUKオリジナルミックス(1,3,5,6,7)をボーナス扱いで
収録した形だったので、オリジナルで経験した私にとっては正直消化不良でした。
今回はオリジナルミックスとUSミックスの順で収録し、当時の曲順を再現してあるので、
昔からのファンも納得がいく再発になっていると思います。
当時日本では初めにオリジナル仕様でリリースされ、追ってUSミックスが来日記念盤として、
オリジナルの曲順に変更してリリースされた経緯があり、最初のCD化の際もこの形を
踏襲して発売されていました。レコード会社サイドとしてはUSミックスを押していたようです。
個人的にはマッコリーシェンカーはイマイチだったので、内容的にも充実している
(本来の流れのMSGとしての)本作が完全版として蘇ったのは嬉しい限りです。