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南えり 岬にて: 乃南アサ短編傑作選 (新潮文庫)

 昨年、乃南アサ短編傑作集「最後の花束」が出ていますから、本書は、その第2弾ということになります。 帯にサスペンスの名手と書いてありますが、乃南さんは、決してサスペンスだけの人ではありません! 解説を書いている堀井憲一郎さんによると、シリーズものの連作短編を除いて、現在のところ短編の総数は、106だそうです。 そのジャンルは、旅もの、職人もの、一般家庭もの、など多岐にわたっているようですが、乃南さんの描きたいのは、 人間の業、性、とりわけ女の業、性ということではないでしょうか!! 本書の収録作品は、以下の通りです。 1:岬にて  2:今夜も笑ってる  3:ママは何でも知っている  4:母の家出  5:鈍色の春  6:脱出  7:泥顔  8:春の香り 9:花盗人  10:微笑む女  11:はびこる思い出  12:湯飲み茶碗  13:愛情弁当  14:悪魔の羽根 なお、1を除いたすべての作品は、新潮文庫からセレクトされたものです。 以下、少し記憶に残った作品を紹介します。未読の人は、注意して下さい!! 1:仕事の都合で、元彼の故郷に足をのばした杦子、そこで彼女の見たものは・・・・・・。彼女は、初めて彼がなぜ去って行ったのかを悟ります・・・。 2:これは怖い!男を引き寄せる不思議な魔力を持った女性・・・私たちの周りにもいますね!・・・、他人のことは笑っていられますが・・・。 3:これも怖い!さえない美術教師に彼女が、しかも勤めている学校の経営者の一人娘で・・・。 とんとん拍子に話が進み、結婚しますが・・・・。しかし、おいしい話には裏があるようで!! 5:これもまた怖いお話です!染物師とそのお得意さんの女性のお話ですが、ラストが怖い!! 6:これは見事に騙されました!女房とその愛人に殺されかけている男のお話かと思っていると・・・・。 7:これは面白い。能面の彫師と女流日本舞踊の名手のお話です。芸に人生をかけた女性の凄さが・・・・・。 11:カビの生えたアルバム写真を夫が修復してくれたことをきっかけに、写真に写っていた叔母の行方を探るお話かと思っていたら・・・。 13:これは怖いです!!ダンセイニの有名な短編を思い出しました!! 私個人の感想としては、非常に面白く読ませてもらいました!難を言えば、単行本未収録作品がもう少しあれば!!   岬にて: 乃南アサ短編傑作選 (新潮文庫) 関連情報

南えり メロドラマの巨匠 ダグラス・サーク傑作選 DVD-BOX (南の誘惑/僕の彼女はどこ?/わたしの願い )

 デトレフ・ジールクの本名で監督したドイツ映画「南の誘惑」と、渡米後黄金期を迎える前の全3編が収められたBOX。

「南の誘惑」
 1937年ドイツ(ウーファ)作品。
結婚を控えていたヒロインは叔母とともに訪れたプエルトリコの小島で、その島の統治者である元闘牛士に強く惹かれ衝動的に結婚してしまう。
しかし結婚生活はやがて事実上破たん、彼女の心の支えは長男の成長だけだった。そんな中で巡ってきた熱病風の季節、、、。
治療法を研究するため島にやってきた2人の医師、その一人は何と彼女の元婚約者だった。
島に拡がる伝染病、流行の事実をひた隠す保守的な島の人々、その意に沿わぬ医師たちの行動、夫と元婚約者を巡る確執と愛憎、のどかな南の島に緊張が高まる。

 当時のドイツ期待の女優、ツァラ・レアンダーをヒロインに配した映画だ。
1933年のフリッツ・ラングの亡命、第二次世界大戦前夜、演劇界に続いて映画界もナチスに蹂躙されていく。妻がユダヤ人であったサークはついにこの年ドイツと訣別する。この作品でヒロインの思いに彼が託したものは何だったのだろうか。

「わたしの願い」
 家族を捨てて出奔したヒロインが娘からの手紙に懐かしさのあまり帰郷、家族や周囲の人々との軋轢の中で紆余曲折を経て夫との絆を取り戻すまでを描く。
母に対し三人三様の思いを抱く子供たち、妻との再会に揺れる夫、教師の夫を慕う同僚の女教師、出奔のきっかけとなった元恋人も絡み、あちらを立てればこちらが立たないドロドロしたストーリーだが、サーク監督はヒロインの心の揺れをじっくりと描きつつ、ドラマティックに二転三転するストーリーも手際良くさばいていく。

 ヒロインを演じたバーバラ・スタンウィックの凛然とした渋い二重演技には、心ならずも舞台から映画に転向した彼の舞台劇への郷愁めいたものも感じられる。
ベタなタイトルやサークらしくないハッピーエンドには意外な感じを受けるが、封入解説によるとこれは彼が考えていた別のエンディングが制作者側の意図に沿わなかったためとのこと、一時ドイツに帰国し再渡米した彼はこの時期すでに自分の作品スタイルを確立していたようだ。
望みだったカラー撮影も製作者の意図で断念せざるを得なかったようで、後のカラー作品の美しさを思うと残念なところだ。
束の間の滞在を終え、夫と女教師の新たな幸せを祈りつつ全てを背負って去り行くヒロイン、それをカラーで撮りたかったサーク、、、この結末では女教師がかわいそうだ。

「ぼくの彼女はどこ?」
 ほんの味付け程度のミュージカル色、渡米後ユニバーサルで自分の路線を模索しているかのような軽いコメディータッチだ。
取り立ててコメントするレベルの作品ではなく、大富豪の遺産を巡るお話はオードリー・ヘップバーンの初期出演作品「素晴らしき遺産」に似たストーリーで、制作年からするとこの作品が参考にされた可能性もある。
 
 初々しいロック・ハドソン、当時のハリウッドスター然としたハイパー・ローリー、加えてジェームズ・ディーンが端役で登場するお宝映像。
音楽担当にヘンリー・マンシーニがクレジットされている。
ただ、本作は既に「ダグラス・サーク・コレクション1」に収められており、できれば別の作品にしてほしかった。
すでにお持ちの方は他の2作品をそれぞれ単品購入されるほうが良いかも知れない。

 価格的には「ダグラス・サーク・コレクション 1・2」よりもずっとリーズナブル、キャリアピーク前のサーク作品を回顧できる反面、1930年代のものも含まれた作品自体はさすがに時代を感じさせる。
また「南の誘惑」には映像や音の劣化が明らかな部分があるが、これは止むを得ないところだろう。
特典映像はないが各作品の解説書が封入されており、コンパクトながら記載内容はなかなか興味深い。
(単品発売分の封入物等については不明) メロドラマの巨匠 ダグラス・サーク傑作選 DVD-BOX (南の誘惑/僕の彼女はどこ?/わたしの願い ) 関連情報

南えり 行殺・新選組ふれっしゅ

 ギャグなのかシリアスなのか判断に困るストーリー展開。異様な難度と種類の豊富さを誇る押し借りクイズ。そのうえ、この内容にしてなぜか妙に新撰組の史実には忠実であったりするから始末に負えない。思うに愛すべきバカゲーと唾棄すべきクソゲーを分かつのは、このあたりの無駄な趣向の凝らし具合なのだろう。そうそう、主題歌『みつめて新撰組』は藝術のなんたるかを極めた出来映えなので、ぜひとも繰り返し繰り返し聴いて脳を蕩けさせると良いのである。
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