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金子國義 金子國義 (KAWADE夢ムック 文藝別冊)

金子國義画伯のファンだったらもちろん、そうでない人にも読んでみて欲しいと強く思います。日本に、これほどの芸術家がいたのだと、同時代に生きていたのだと、知って欲しいと。私は長い間金子画伯の作品のファンであったものの、面識はない遠-くからのファン。澁澤龍彦様心酔経由で辿りつき、でも、サイン会も行けないくらいの、びびりのファン。ですが今回、『文藝別冊 金子國義』を読み、サイン会等に行かなかった(行けなかった)自分の畏怖の、感覚が、まんざら間違いでもなかったと思い知った気がしています。画伯と、もし、直接、視線を合わせるようなことがあったとしたらその時の、画伯の瞳の流れ、指の動き、それだけで、一生消えない手前勝手な妄想(被害妄想?)が生まれて、死ぬまで、毎夜、輾転反側していたかも知れない。と、それくらいの、妄想が怒涛のごとく膨らみ続けるような、本。最初の、未発表作を含む、数々の収録作だけでも、購入する価値がある(綺麗。そもそも表紙が美しいし。)と思いますが寄せられた、文章が、また、凄い。迫力。きっと、書きたくないほどの、大切な「事」も、あると思います。(金子画伯生前になされた文章も含めて。)それが、惜しげもなく、ここでは提示されている。高橋睦郎氏の文章。震えあがり、呻ってしまう。(高橋氏の云われていることを、すべて鵜呑みにしないにしても。高橋氏ほどの方の書かれていることを、そう簡単に理解できるとも思っていないし。)金子画伯の、あの「美学」は、そうでなければ、あるいは、「そのような話」がなかったとしたら、ありえないのだと、当方は受け取ったのです。それぞれが、「画伯」のことを、語っていると感じられます。優しさと、残酷さ。可愛らしさと、冷たさ。さらり、と書かれたものも、緊張して書かれた(と感じられる)ものも痛切なものも、無防備すぎるんではと驚くものも緻密に計算されこの上もなく慎重に情報が提示されているものも、ある。なんと驚くべきことに、小説までも。責任編集、津原泰水氏の、「クニヨシ・カネコのキャビネット」。こちらがまた・・・なんと表現したら良いのか・・・あえて云うならば、《読みたかった小説》。金子画伯の、ご自宅を、テレビや本で見たことがあるファンの方なら、ご同意頂けるかも知れない。金子画伯にまつわる、《読みたかった小説》が、そこにあってしまったという。最初ぞっとしました。「これこのような話が読みたい」という具体的な物語が自分の中にあったわけでも、ないのに読んでいくうちに、「あっ これっ これだっ! これが読みたかった!」となった。個人的な妄想のはずなのに。なんでここにあるの。こわいよう。ってな感じでしょうか。他の方々が、どう読むか。ものすんごく知りたい。という感じで読み始めたら、あれこれ、考えて感じてしまいます。あちらとこちら、こことあそこ、を組み合わせて読むと、などと考えていると、行ったり来たりして、読み続けることになるのでそう、するする読み終えることが、できないんです。関連する書籍も気になるし。映画も気になるし。舞台も観たいし。金子画伯の画集写真集もまた観なおさないといけないし。忙しい。こんな本、滅多にお目にかかれない。読み終えること、ないかも知れない。という訳でそう考えるとやはり、手に入れる価値があると、思うのでした。 金子國義 (KAWADE夢ムック 文藝別冊) 関連情報

金子國義 ユリイカ 2015年7月臨時増刊号 総特集◎金子國義の世界

3月に亡くなられた金子國義さんを偲んで、お弟子さんやご友人、仕事をご一緒なさった人たちが、思い出や作品を語り綴った1冊です。
どのページにも生き生きとした金子國義さんがおられます。
描いたり食べたり踊ったり飲んだり怒ったり。

これから私たちファンは、残された作品を見て、この本をつま弾いて、身近に金子國義さんを感じ続けることになるかと思います。

カラー31点の作品とユリイカ表紙ギャラリー、他にも写真やカットが散りばめてあります。 ユリイカ 2015年7月臨時増刊号 総特集◎金子國義の世界 関連情報

金子國義 Drink Me Eat Me 金子國義写真集

以前出版された写真集「vamp」の続編のようなイメージ。ただ…なんだかすごく怖くなっちゃってる!女のエロティシズムが発散していて、以前のものより挑発的な気がします。カワイイものを求めているひとには不向きかもしれません。どっちかというと、ボンテージとかそういうのが好きな人向けでしょうか。モデルの女のひとはみんな同じ髪型・メイクだったりするのも怖い。まるでお人形さんのようです。いろいろ書きましたが、vampが好きなひとにはオススメという感じでしょうか。 Drink Me Eat Me 金子國義写真集 関連情報

金子國義 美貌帖

初の自伝を出版した翌月に世を去るとは。鏡に始まって自分の部屋を飾るオブジェを紹介していく冒頭の構成が露骨に示すように、自覚したナルシストによる麗しき自伝である。一貫して自信に満ちて語られる「趣味の良さ」の連続は、ファンでないと嫌気がさすかもしれない。私にはその迷いのない「美学」がちょっと受け付けなかった。生まれも育ちもよく、友人と環境に恵まれ、幸せであふれた人生。苦しみの見えない自伝というのがあまりおもしろく読めないのは単なる妬みだろうか? 美貌帖 関連情報



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